「教育現場から見えた起業の本質 ── 理念と質を貫く自律学習サカセルの挑戦」

今回、経営者の先輩としてインタビューにご対応いただいた三宅貴之さん(株式会社UTS・自律学習サカセル・東京都世田谷区)。

三宅貴之氏

2016年、教育業界での経験を経て、自らの理念を実現するために起業し、“教育の質”を軸に新たな学びの場を作り上げました。

創業から10年目を迎える今、三宅さんは「教育」という枠を超え、組織経営や事業開発の観点でも多くの示唆を与えてくれます。

本記事では、教育の現場から事業を立ち上げた彼の軌跡を通して、理念を貫きながら成長する起業のリアルを紐解きます。

目次

「質を追求するために、自分でやるしかなかった」

三宅さんが教育の世界に足を踏み入れたのは学生時代。
アルバイト講師として子どもたちを指導し、そのまま教育業界に就職しました。
しかし、働くうちに「自分が理想とする教育」と「会社の方針」の間にずれを感じるようになります。

「会社が拡大路線をとり、教室の数を増やす方向に進みました。もちろん経営的には正しい判断かもしれませんが、私自身は“量より質”を大切にしたかったんです。とりあえず先生を集めるやり方では、教育の本質が薄れてしまうと感じていました」

教育は「人」で成り立つビジネスです。

「どんな人が教えるか」が最も重要であり、「人材の質を犠牲にした拡大」は、三宅さんにとっては本末転倒でした。
その思いが、独立という決断へとつながります。

「へぼい先生の広告塔にはなりたくない。信頼できる講師と、誠実な教育を作りたい。それが起業の原点でした」

コロナ禍を越えて ──「人が人を育てる」ことの価値

起業から数年後、世界を襲った新型コロナウイルス。
教育の現場にもオンライン化の波が押し寄せ、対面指導が難しい状況が続きました。
しかし三宅さんは、この危機の中でも「直接会うこと」に価値を見出し続けました。

「私たちのサービスの本質は“対面での関わり”です。子どもたちの表情、空気感、モチベーションの変化──それを感じ取って指導することが教育の醍醐味なんです。オンライン化も必要でしたが、やはり直接のつながりには代えがたい価値があると再確認しました」

教育事業の多くが一斉授業や映像教材に舵を切る中、自律学習サカセルは“密な関係性”を核にした個別指導モデルを貫きました。
その選択が、結果として顧客の皆様からの高い信頼につながっています。

「大手塾のカリキュラムと比べても、私たちの方法には自信があります。子どもが“学び方”を身につけるよう導くこと。これは、規模ではなく、目の前の一人に集中できる環境だからこそ実現できることです」

生徒と向き合い、受験に向けて教育を行うのはスタートラインのサービス。そこにプラスして大手の塾の教育スタンスや方針などのやり方を分析し、改善し、いわゆる「人数を集めて、教育する」スタイルでは提供できない環境を事業として展開しておられます。

「一人でやる限界」── 理想と現実の間で見えた“組織の必要性”

独立当初、三宅さんは「拡大よりも自分の理想を貫く」ことを最優先にしていました。
しかし、事業が安定し、生徒数が増えるにつれて新たな課題が浮かび上がります。

「最初は一人で何でもやっていました。授業、広報、ホームページの更新、経理まで。でも、ある時気づいたんです。『自分が動けなくなったら、すべて止まってしまう』と」

この気づきが、三宅さんに“チームで動く経営”への意識を芽生えさせました。

「組織拡大が嫌で独立した部分もあります。でも、質を保ちながら事業を継続していくには、やはりチームが必要なんです。今は、教室運営チームと経営企画チームの二軸で、徐々に仕組み化を進めています」

組織を作ることは、“理想を手放す”ことではなく、“理想を再現可能にする”ための手段。
まだまだ試行錯誤の状況であるということではありますが、起業初期には見えなかったこの視点が三宅さんの経営観を大きく変えました。

AIとの共存 ──“人にしかできないこと”を見極める

AIの進化によって、教育現場でもツール活用が一般的になっています。
三宅さんも例外ではなく、業務効率化の一環としてAIを取り入れています。ただし、経営者としてAIの有用性には理解を示しつつ、まだまだ頼り切るには「不安が残り、完全には信用しきれない」と考えておられます。

「誤字脱字チェックや算数の類題作成に使っています。ただし、メールやブログの文章は自分で書きます。AIにはできない“体温のある表現”を届けたいので」

このスタンスには、教育者としての信念がにじみ出ています。

AIを排除するのではなく、“得意な部分だけを任せる”。
これは事業経営にも通じる発想です。人の力を最大限に活かしながら、ツールで補完する──そのバランス感覚が、今後の事業運営を支える鍵になっています。

起業の本質 ──「自分がしたいこと」より「相手が求めること」

最後に、これから事業を立ち上げたい人へのメッセージを尋ねました。
三宅さんの答えはシンプルですが、深いものでした。

「起業すると、どうしても『自分がやりたいこと』に意識が向きます。でも、成功するのは“相手が求めるもの”を形にできる人です。プロダクトアウトではなく、マーケットインの発想が大事です」

教育という事業は、常に“顧客=親と子”の期待に応えることが求められます。
その期待を単に満たすだけでなく、「想像を超える提案」をすることが、信頼を生むのだと三宅さんは言います。

「親御さんが求めていることに対して、自社のリソースで何を提供できるかを常に考えています。求められたものに応えるのは当たり前。それ以上を提供して、初めて『この人に任せたい』と思ってもらえるのだと思います」

理念を“形”にする経営

教育という分野は、数字で測りにくい。だからこそ、理念と現実のバランスが問われます。三宅さんはその両立を模索し続けてきました。

「いい先生とは、教科指導だけでなく、社会人として誠実に提案できる人だと思っています。そんな先生たちと一緒に、信頼される教育を広げていきたいです」

理念を掲げるだけでなく、それを現場で体現し続ける。それが、教育から起業を学ぶ上で最も重要なポイントかもしれません。

起業家へのメッセージ──「質を軸にする勇気を」

多くの起業家が“拡大”を目指す中で、三宅さんは“質”を軸に事業を積み上げてきました。「速さ」や「スケール」だけが成功ではない。 顧客の信頼を得て、長く続く事業を作ることこそ、持続的な経営の理想形です。

教育という人を育てる現場で培った哲学は、すべての起業家に通じる普遍的な教訓を教えてくれます。それは「本当に大切なことは、相手の中にある」ということです。

おわりに:事業紹介と呼びかけ

三宅さんの事業は、中学受験に特化した個別指導塾「自律学習サカセル」です。
授業をできる知識があるというのは採用の大前提で、そのうえで塾に通う子どもの方はもちろん、その保護者の方との関係を築き、生徒・保護者双方の要望をヒアリングし、講師としてだけではなくある種のコンサルティング的な形で相手を見た提案を、丁寧に行える人を求めています。

また生徒を通わせたい方は「首都圏で中学受験に困っている方がいればぜひご相談ください。教科指導だけでなく、保護者への提案力や相談対応力を持つ先生をそろえてお待ちしております」と三宅さん。

理念を貫き、教育の質にこだわり続ける三宅さん。ご興味がある方はぜひ、ご連絡ください。

自律学習サカセル 公式ページ

https://sacacell.jp/
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この記事を書いた人

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