SUNNYDAY株式会社 代表取締役 小林祐喜さんインタビュー
銀行員として見えた「このままでは、未来が閉じる」という現実
「銀行員時代に痛感したんです。このままでは、自分の未来が見えてしまうなと。」

そう語るのは、SUNNYDAY株式会社代表・小林祐喜さん。
堅実で安定した職業といわれる銀行を飛び出し、海外展開を含む人材・テクノロジー事業に挑戦する起業家です。
小林さんが銀行に勤めていたころ、日本の金融機関は超低金利政策による「利ざやの薄さ」と「硬直した組織体質」に苦しんでいました。
「組織の中で一生を終える」という未来が、彼の目には“安定”ではなく“閉塞”に映ったといいます。
「官僚的な組織の中で働いていると、良くも悪くも“将来が読めてしまう”んです。 それは安心かもしれませんが、若いうちは人生の可能性を追求して“わからない未来”に飛び込みたいと思いました。」
そんな折、在日のベトナム人の友人から「社長をやってほしい」と声をかけられたことが転機となります。 「ちょうど起業を考えていたタイミングにも重なったことにより、『自分で事業を作る』という選択肢が一気に現実味を帯びた瞬間でしたね。」
壁は“人”──日本社会における人材育成のむずかしさ
起業後、最も苦労したのは「人材育成」だったと小林さんはいいます。
「日本では“人を育てる”のが本当に難しい。これは現在進行形。特にセールス人材。海外では人気職なのに、日本ではなかなか人が集まらない。」
少子高齢化による働き手の減少や、若者の仕事観の変化。こうした社会背景もあり、企業の中核を担う人材が育ちにくい現実があります。また日本における「営業」「セールス」という言葉の偏見や誤解・理解の浅さなどもその要因であるといえます。
小林さんはその問題に直面し、「人を日本で育てること自体が限界なのかもしれない」と感じたといいます。そこから、彼の視線は発想を転換し“海外の人材”へと向かいました。
「海外ではセールス職が“誇れる職業”なんです。売るだけではなく、人の心を動かす“人間力”が問われる。だからこそ、楽しんでやる人が多い。」
日本の教育は「公務員になるための教育」と揶揄されることがあります。安定を重視するあまり、変化への挑戦や対人スキルの育成は後回しになっている。その構造的な課題を、小林さんは肌で感じ取っていました。
「セールスって、本質的には“御用聞き”なんです。相手に気に入ってもらえる人間になる。相談を聞けるプロフェッショナルになる。そこから相手の本当に役に立つ提案をする。これに面白さを感じる人がもっと増えれば、日本は変わると思います。」
“AIに使われる側”で終わらせないために
取材の中でAIの話題を振ると、小林さんの表情が引き締まりました。「AIはすごいですよ。ただ、使われ方を間違えると、単なる“依存”になります。」
10年前にクラウドサービスが流行した時期を思い出しながら、こう語ります。
「AIもクラウドも、使うだけでは意味がない。自社で蓄積し、自社で運用し、自社の強みとして活かしてこそ価値があると思います。」
生成AIの分野では中国とアメリカが圧倒的に先行しており、日本が国力で競うのは難しい現実もある状況です。そんな中で業務にAIを活用することは、小林さんは“ユーザーとしての利用”ではなく、“創り手としての活用”にこそ未来があると考えています。
「たとえばインサイドセールス。ここにAIを掛け合わせることで、新しいビジネスモデルが生まれる可能性がある。既存のツールを“使うだけ”ではなく、組み合わせて自社のサービスに変えていく。それが日本企業に求められていることだと思います。」
AIを“使われる立場”で終わらせない。
テクノロジーをどう“自社の血肉”に変えるか――それが、SUNNYDAYの次なる挑戦テーマでもあります。
頭で考えるより、まず走れ
「銀行にいたころ、創業者を何百人も見てきました。成功した人に共通しているのは、“とりあえずやってみた人”です。」
小林さんは、起業のリアルを見つめてきた経験から、“完璧な準備”という幻想を否定します。
「Aという事業案を立てて始めても、実際にやってみたら全然うまくいかない。
でも、その裏にあったB案が本流になることがある。つまり、やってみないと“何が本当に事業になるか”はわからないんです。」
走りながら仲間ができ、気づけば事業の方向性も変わっている――それが起業のリアル。
だからこそ、「動く」ことの価値を強調します。
ただし、ビジネスで最も大切なものも忘れてはいけないといいます。
「できない約束は絶対にしない。できる約束は確実に履行する。信用は資産ですから。」
どんなに大きな構想を描いても、信用を失えばすべてが崩れる。
誠実さとスピード、その両輪こそが、起業を続ける力になる――それが小林さんの信条です。
「混ざり合うことで強くなる」──人と文化が交わる未来へ
小林さんが掲げる哲学は、「混ざり合うことで新しい価値が生まれる」というもの。故・石原慎太郎氏の「多様性」思想をはじめとした、書籍や生前インタビュー記録などを深く感銘を受けたとお話されます。
「日本は古来からアイヌや琉球など、異なる民族の融合で成り立ってきた。
しかし近代以降、島国としての閉鎖性が強まり、人の流れが止まってしまったんです。」
小林さんはそこに危機感を抱いています。
国際社会での競争が激化する中、人材・思想・文化の多様性を受け入れられない国に未来はないと。
「優秀な人材を生むためには、決して政治的・差別的な意味ではなく発展や変化という意味で、人種や文化の配合が必要だと思います。 だからこそ、外国人材を日本に呼び、共に働き、価値を生み出す。そして将来的には、テクノロジーの分野でも“自社発”の商品をリリースしていく構想です。」
また小林さんは事業を行い、様々な日本人・外国人とかかわる中で次のようなことも感じておられます。
「日本人のパスポート保有率は約10%、実際に海外へ行く人は5%程度。もっと外へ出て、事業を作り、技術を持ち帰る。そういう“動ける日本人”を増やしたいんです。」
今の日本人に必要なのは、「安定」から抜け出し、「リスクを取って、自分自身で新しいものを生み出すぞ!」というマインドなのかもしれません。
─安定ではなく、可能性を選ぶ勇気を
小林さんのキャリアは、まさに“安定から挑戦へ”の物語です。
銀行という保守的な世界を離れ、海外人材を活用した事業という未知の領域へ飛び込む。
その根底にあるのは、「自分の可能性を試したい」というシンプルな衝動です。
「日本の仕組みの中にいると、“一歩外に出る怖さ”が染みついてしまう。
でも、外に出てみると世界は思っているよりずっと広い。
そして、自分の力で道を切り開ける実感があります。」
安定を捨てる勇気。
そして、多様な人と協働しながら新しい価値をつくる覚悟。
SUNNYDAY株式会社・小林祐喜さんの言葉は、これから起業する人、そして新たなステージに挑戦したいすべてのビジネスパーソンにとって、大きな指針となるはずです。
おわりに:事業紹介と呼びかけ
小林さんは「日本という国をもう一度つくり直す」という理念を事業の中心に据えています。
「日本はもともと、多様な民族や文化の交わりの中で発展してきた国であると考えます。今こそ再び、世界とつながり、新しい価値を生み出す時代だと考えています。」
そして、海外人材の自社受け入れを通じて、「価値創造のセールス」という活動で日本と世界を結ぶ取り組みを推進しています。
さらに現在、テクノロジーやアプリケーション開発など、新たな産業を創り出す挑戦にも取り組んでいます。
目指すのは、国境を越えた人と産業の交流によって、日本の力をもう一度世界に示していくこと。
そんな理念に共感し、自ら手を動かし、プロダクトを生み出していく意欲のある方と、ぜひ一緒に未来をつくっていきたいと考えています。
もし国内外に問わず、人間力で勝負・提案する「セールス」でチャレンジしたい方はお声がけください。
SUNNYDAY株式会社 公式ページ
https://sunnydayinc.jp/


