「家族写真のジグソーパズル」から始まった挑戦—10年以上事業を続けて分かった“続ける力”のつくり方—

2011年11月11日、 語呂もよく、少し特別に感じるこの日にシャフト株式会社が誕生しました。
代表を務めるのは 清水健太郎氏です。

シャフト株式会社 清水健太郎氏

もともとは高校教員として勤務し、その後は大学の非常勤講師の仕事を掛け持ちしながら生活していたと言います。そんなある日、当時2歳だった娘さんが楽しそうに遊ぶ姿を見て、ふと心が動きました。

「この瞬間を、何か形に残せないだろうか」

そうして生まれたのが、“家族写真を使ったオリジナルのジグソーパズル”でした。
誕生日や結婚記念日、クリスマスなど――人の人生には、祝い事や節目が数えきれないほど存在します。その大切な瞬間を“世界に一つだけのギフト”にするアイデアは、清水氏自身の家族の時間から着想を得たものでした。

「起業すること、それ自体は簡単でした。」

振り返りながら、清水氏は静かに笑います。 そしてこう続けます。

「でも、そのあとに待っているのは、正直言って“苦労のオンパレード”。強い意志がない限り、続けるのは本当に難しいと思います」

実体験をもとにした言葉だからこそ、重みがあります。

目次

コロナ禍で急成長。「数週間、家に帰れない」ほどの繁忙

事業は順調に伸びていましたが、転機は2020年のコロナ禍でした。
“おうち時間”が長くなったことで、ジグソーパズル業界そのものが空前の盛り上がりを見せたのです。

受注は連日のように増え続け、対応しきれないほどの注文が舞い込みました。
「数週間、家に帰れないほどでしたね。」
寝袋で会社に泊まり込み、ひたすら製造・発送を続けた時期もあったといいます。

人員もどんどん採用し、事業はピークに。
しかし――この好況は永遠には続きませんでした。

コロナが明け、パズル業界全体が急速に右肩下がりに転じたのです。
毎月の受注は目に見えて減少。人員整理を余儀なくされ、スタッフ数は半分に。

「何としても会社を守らなければ」
そう考え、新規事業にも挑戦しましたが、どれもうまくはいきませんでした。

あらゆる挑戦と失敗を繰り返した末、清水氏がたどり着いたのは“原点回帰”。
オリジナルパズル事業に一本化し、「本当に価値あるもの」だけに集中するという決断でした。

「もし5年前に戻れるなら、もっと稼げていた」

コロナ禍の繁忙期には、とにかく受注をさばくことで精一杯だったといいます。
改善や効率化に目を向ける余裕はなく、人を増やすことで対応するしかありませんでした。

しかし、落ち着いた今だからこそ気づけるものがありました。

「見えていなかったことはたくさんあります。

忙しすぎて業務改善に手が回らず、人を増やすことで対応してしまっていた。
もし今の知識を持ったまま5年前に戻れたら、もっと効率よく、もっと大きく稼げていたと思いますね」

ここでの学びは非常に示唆的です。

好況期こそ、改善すべき点は山ほどある。
“忙しいから改善できない”と言っていると、好況が終わった瞬間に詰む。

これは、起業を目指す人、不動産賃貸業から事業を横展開したい人にとっても、普遍的な教訓です。

10年以上事業が続いた本当の理由

創業から10年以上、事業を継続できる会社は決して多くありません。
ではなぜ、この会社は続けることができたのか。

その理由のひとつに、「他社にはないスキル」があります。

清水氏は教員時代からSEOとウェブデザインに強みがあり、事業の世界観をそのまま自分で形にできました。
広告・制作・PRをすべて外注ではなく“自分の手でつくれる”ことは、大きな武器になりました。

さらに、アプリ開発も独学で習得。
大学時代に「これからはウェブの時代が来る」と思い、図書館にこもって一日10時間以上学び続けたそうです。

その努力の積み重ねは、10年後に大きな花を咲かせました。
自身で作った10本のアプリのうち、2本が教育カテゴリで全国1位・2位となる大ヒットに。

広告を載せる無料アプリながら、売上面でも事業の集客面でも大きく寄与し、「広告費を払うよりも効果があった」といいます。

“他には無いスキル”を持つことが、10年以上事業を続けられた理由。
これは、起業家にとって極めて大きな示唆です。

これから起業する人へのメッセージ

最後に、これから独立や新サービスづくりを考えている人へ向けて、こんな言葉を残しています。

「起業は華やかに見えるけれど、実際には続けるのが本当に大変です。でも、続けられる人には必ず理由があります。他の誰にも真似できないスキルを磨くこと。自分の思いを自分で形にできる力を身につけること。それがあれば、事業は必ず伸びていきます」

清水氏の歩みは、“スキルは裏切らない”というシンプルな真実を教えてくれます。

 現在の取り組みと求めている人

現在は、創業時から続けてきたオリジナルパズル事業をさらに磨き込み、
「世界に一つだけのギフト」を最短・即日で制作できる仕組みを展開しています。

  • 記念日(誕生日・結婚式・クリスマスなど)向け
  • 完全オリジナルデザイン
  • 価格は 2,000円(送料無料)
  • 業界標準が「3週間」のところ、最短・即日発送
  • 品質は「日本一」と自負

心を込めたギフトを、驚くほどのスピードで届ける。
それが、この会社が今もっとも力を入れている領域です。

まとめ

このインタビューを通して伝わってくるのは、「続けることの難しさ」と「続けるために必要なこと」です。

  • アイデアは日常の中に転がっている
  • 好況期こそ改善のチャンス
  • 他には無いスキルが“生き残る力”になる
  • 原点回帰は決して後退ではなく、未来への選択
  • 続ける力は、自分で作れる

事業を続けることは簡単ではありません。
しかし、清水氏の歩みはこう語ります。

「スキルと意志があれば、事業は必ず伸びる」

起業を考えている人、不動産賃貸業から事業拡大を考えている人にとって、清水氏の経験は強いヒントになるはずです。

事業は簡単には続きません。
しかし続ける力は、自分でつくれます。

シャフト株式会社のこれからの挑戦にも、注目が集まります。

シャフト株式会社 公式ページ

https://www.schaft-japan.com/
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この記事を書いた人

本メディアを運営する「金融商品を売らない投資と財務の専門家」、BFPホールディングスです。

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