「他責にした瞬間に成長は止まる」——合同会社ラポンティア 有沢優花が語る、“共同創業”という挑戦のリアル

共同創業はむずかしい——そう言われることが多い理由は明確です。
価値観の違い、意思決定の曖昧さ、責任の所在があいまいになりがちだからです。

しかし、その中で“一度も衝突で立ち止まることなく、むしろ相手がいたから前に進めた”と語る人がいます。CM制作・広告プロデュース・タレント育成などを手がける合同会社ラポンティア代表・有沢優花さんです。

大学卒業後すぐにプロダクションを立ち上げ、現在は愛知と東京を行き来しながら多様な案件を手がける有沢さん。
「テレビCM制作担当」と「若いタレント志望者を育てるプロダクション」という、全く違う視点を持つ2人がなぜ上手くいっているのか。

合同会社ラポンティア代表 有沢優花氏

その背景には、起業家が忘れがちな “ある視点” がありました。

本記事では、

  • 共同創業の本質
  • 価値観のすり合わせの現実
  • 他責にしない姿勢が事業を強くする理由
  • 芸能・広告領域におけるAI活用
  • これから起業したい人への本質的アドバイス

を掘り下げていきます。

これから起業したい方、事業の横展開を考えている不動産オーナーの方にも、確かな示唆のある内容となっています。

目次

起業の原点は「フィーリングの一致」から

有沢さんが事業を始めたのは、大学を卒業してすぐのこと。元々は一人でプロダクションを立ち上げ、タレント志望者をサポートしていました。

転機は、オーディションの現場で出会った一人のスタッフ。
テレビCM制作を担う企業で働くその人物と意気投合し、事業を一緒にやってみようという流れになります。

「最初の段階でフィーリングが合ったんです。
価値観の違いは確かにありましたが、“やりにくさ”はほとんどありませんでした。」

事業の方向性、理想、スピード感。
起業初期に必要なのは“完全一致”ではなく、一緒に進める基盤になるフィーリングの相性なのかもしれません。

愛知県では別会社の役員を務めながら、都内ではラポンティアを動かすという二拠点体制。
この柔軟な働き方ができたのも、互いを信頼できる共同経営者の存在があったからだといいます。

 共同創業の“難しさ”——男女という違いさえも、対話で乗り越える

「大変だったことはありますか?」と尋ねると、有沢さんは少し考えてから、こう答えました。

「あえて言うなら、男女という価値観の違いですね。
でも、それも話し合いで解決できています。むしろそれ以外にやりにくいことがなくて。」

共同創業がうまくいかない代表的な理由が「価値観のズレ」。
しかし、ラポンティアではそのズレを“強み”に変える仕組みがあります。

 ① 妥協ではなく、妥協点を探す

ただ折れるのではなく、
「どこまでなら認められるか」を2人で丁寧に探る。

これが意見の衝突を防いできました。

② 意思決定責任者を明確にする

「友達同士の起業だと、どちらかの意見だけが通ったりします。
でも事業が成り立つには、最後に“誰が責任を取るか”を決める必要があります。」

映像制作の業界は、クリエイターのこだわりが強く、自我が前に出やすくなる世界。
だからこそ、最終責任者の線引きが不可欠だったといいます。

「他責にした瞬間に成長は止まる」——成功するチームの共通点

これから起業する人へのアドバイスを伺うと、有沢さんは即答しました。

「広告や制作の現場を見ていて思うのが、“他社依存でうまくいかないのに、人のせいにしてしまう人” が多いんです。」

  • 制作会社がうまくやってくれなかった
  • 外注のクオリティが低かった
  • 代理店が成果を出してくれなかった
  • 芸能事務所から仕事を貰えない

こうしたトラブルはどの業界にもあります。
けれどそれを“相手のせい”にしてしまった瞬間に、成長は止まります。

「わからないなら、素直に聞けばいいんです。
相手に任せっぱなしにせず、自分で責任を負うことが大事です。」

これは起業だけでなく、不動産賃貸業などオーナービジネスにも共通する姿勢。
外注化・自動化が進むほど、「自分で判断できる知識」と「責任を持つ覚悟」が成功の分水嶺になります。

AIが生む“人間にはない発想”——映像制作現場での驚き

AI活用について伺うと、映像制作のプロならではの視点が返ってきました。

「CMをつくるとき、エコンテ(絵コンテ)の構成をAIに出させると
“そんな発想ある?” っていうアイデアが出てくるんです。」

  • 企画初期の発想出し
  • 音楽制作のアイデア
  • 絵コンテの構成案出し

こういった領域でAIは想像以上に力を発揮します。

しかしその一方で、
「AIの出した案に、自分の考えを乗せられないと使う意味がない」
とも語ります。

AIを使いこなすには、“自分自身の思考の軸”が必要。 これはどの職種にも共通する視点です。

「安くCMを出したい企業の方へ」ラポンティアが提供する価値

最後に、どのような依頼や相談を求めているのかを伺いました。

ラポンティアでは、外部タレントを借りるのではなく、自社で育成した人材を使える仕組みがあります。
そのため、企業側のCM制作コストを抑えることができます。

「中学生・高校生の女性から、ご年配の方まで幅広く対応できます。
CMをつくってみたい企業の方、学生で企業を始めた方などもぜひ声をかけてください。」

広告費が高騰するなか、
“自社タレント × 映像制作” は小規模事業者にとっても大きな可能性を生む方法です。

まとめ:起業に必要なのは「能力」より「姿勢」だった

有沢さんの話には、派手な成功談よりも、
起業家として一番忘れてはいけない“姿勢”が詰まっていました。

  • 価値観が違っても、対話し続ける
  • 最後に責任を取る人を決める
  • 他責に逃げない
  • AIの力を借りつつも、自分の思考を持つ
  • 依存ではなく、学びながら前に進む

これらは、業界を問わずすべての起業家に必要な力です。

そして有沢さんは最後に、静かで力強いメッセージを残してくれました。

「やりたいと思うなら、一回やってみたらいいんです。迷っていても、何も動きませんから。」

あなたの“やってみたい”は、今日の一歩で大きく形を変えるのかもしれません。

合同会社ラポンティア 公式ページ

https://lapontia.co.jp/
URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

本メディアを運営する「金融商品を売らない投資と財務の専門家」、BFPホールディングスです。

投資や財務の学習・計画補助・コンサルタントをご希望の方は、「こんなこと相談していいのかな・・・?」とお悩みになられる前にご連絡ください。

目次
閉じる