2023年に起業し、現在3期目。フリーランスとして活動していた延長線上で法人化した彼女は、1年目、2年目を経てようやく「法人とは何か」「事業とは何か」が見えてきたと言います。
このインタビューは経営者に向けて秘書サービスと、その紹介する秘書候補に教育を行う社団法人の代表理事をつとめられる宮川典子氏にインタビューさせていただきました。

起業のきっかけは「やりたい」より「タイミング」
宮川氏が起業したのは2023年。
それまでフリーランスとして秘書業務の他に秘書育成やご紹介を行っており、仕事自体はすでに回っていました。
「正直、“起業するぞ”と強く決めていたわけではありません。フリーランスで続けていく中で、法人化のタイミングが来た、という感覚が近いですね」
この感覚は、多くの人にとって意外かもしれません。
しかし実際には、「起業したいから起業する」というよりも、
今の事業形態では限界を感じたときに、次の器として法人を選ぶケースは少なくありません。
—1年目は「フリーランスが法人になっただけ」だった
法人化して最初の1年目。宮川氏はこう振り返ります。
「正直、何も変わらなかったです。フリーランスが、名刺と登記だけ変わった感じでした」
一人社長で業務内容も同じ。そのため、「法人ならではの難しさ」を実感するまでには少し時間がかかりました。
変化を感じ始めたのは2年目に入ってからです。
- 決算費用が想像以上にかかる
- 登記や契約の制約で、気軽に方向転換できない
- 「ちょっと変えたい」が簡単にはできない
このあたりでようやく、フリーランスと法人の間には、明確な“境目”があることを痛感したと言います。
人を入れると、事業の難易度は一気に上がる
事業を広げていく中で、宮川氏は「人を増やす」という選択をします。ここから、経営の難易度は一段階上がったといいます。個人で業務委託として人を頼んでいた頃とは違い、「チームを作る」フェーズに入ったからです。
チーム作りで特に意識しているのは、意外にもシンプルなことでした。
「変な人を入れない、ですね」
相性よりも「できそうな人」に入ってもらう。ただし、“できそう”と“実際にできる”は違う。
さらに言えば、能力があっても相性が合わない場合もある。この見極めは、起業初期に多くの人がつまずくポイントだなと感じたとのことでした。
「知人・友人を雇用することのリスク」
チームアップに際して、飲み友達や知人に仕事も手伝ってもらうこともありました。
しかし立場が変わると、関係性も変わります。特に仕事の能力だけでなく、
- 男性
- 年上
- 役員という立場
といった属性・立場の違いなどが混ざりあい、時には意見が衝突することもあります。
それでも、もともとの関係などもあり「簡単に終わりにするといったことは、とてもじゃないができない」といいます。
実際、経験としてこのようなジレンマと実務とのすり合わせが2〜3年目まで続いたことがあったと振り返ります。。
これは、友人同士で起業しようと考える方や、共同出資・家族経営を考えている人にも、決して他人事ではありません。
立場を与える前に、どこまでの覚悟が必要か。
その問いを、宮川氏の経験は静かに投げかけてきます。
「借入は、もっと早くしておけばよかった」
もし過去の自分にアドバイスできるなら。そう尋ねると、宮川氏は迷わずこう答えました。
「借入は、もっと早くした方がよかったです」
新しいことに挑戦するタイミングでは、一時的に売上が止まります。 その間も、人件費や固定費はかかる。
資金繰りに余裕がないと、 「挑戦したいのに、動けない」状態に陥ってしまうのです。
これは、
- 新規事業を立ち上げるとき
- 本業がある状態で別事業を育てるとき
どちらにも共通する重要なポイントでしょう。
AI時代でも「人にしかできない仕事」がある
秘書業という仕事柄、AIとの関係性についても話題に上がりました。
宮川氏は、 「AIを使いこなせる秘書が、できるところはAIに任せる」というスタンスを取っています。
ただし、スケジュール調整ひとつとっても、単なるアプリではなく、人とのコミュニケーションを大切にする部分が、 このサービスの価値だと考えています。
効率化できるところはAIに。
でも、信頼関係や空気を読む部分は人にしかできない。
この線引きは、今後どんな事業を作る人にとっても重要になるでしょう。
「経験者に話を聞きながら、自分のやり方を見つけてほしい」
これから起業する人へのアドバイスを求めると、宮川氏はこう語ってくれました。
「自分が目指していることを、すでに経験した人に話を聞くこと。
その上で、自分なりのやり方を見つけていくのが大事だと思います」
彼女自身、その答えを見つけるために、 さまざまな場所に出向き、人と会い、学んできました。ただし一方で「そんな良い人と出会う場所はどこにあるのか」という視点は非常に難しい、といいます。
「異業種交流会やイベントなどは玉石混合で、また個人個人に合う・合わないもある。そこの見極めが大事です」
まずはそんな人を見つけるために「行動」する。そのあと良いめぐり逢いになるかどうか、また巡り合った人とどのような関係を築くのかどうかは慎重に見極めて行く必要があることがわかります。
ママ秘書®が提供している価値
株式会社Secretaryではフリーランス秘書のご紹介を行っています。
ママ秘書®のスクールカリキュラムで育成された人材が、マインドセットとコミュニケーションスキルを身につけ、秘書を求める企業や個人事業主とマッチングされます。
- ヒアリング
- 日程調整
- 提案
- その他秘書業務に付帯する調整業務
までを秘書業務の範囲で一貫して行い、定着率が高いのが強みです。
オンライン完結業務であれば全国対応。月額3時間9,900円から事務代行を依頼できるプランもあり、これから事業を広げたい人にとって心強い選択肢となっています。
起業とは「形を変えながら続けること」
宮川氏の話を通して見えてくるのは、起業とは一発勝負ではなく、試行錯誤の連続と、やってみて気づくことが多いのだという現実です。
フリーランスから法人へ。一人からチームへ。 できることを少しずつ増やしながら、形を変えていく。
これから起業したい人も最初から完璧を目指す必要はありません。
大切なのは、 「次のステージに進んだとき、何が変わるのかを知っておくこと」。
その意味で、宮川典子氏の3年間は、
これから動き出す人にとって、非常に実践的な道しるべになるはずです。
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