「やることがなかった大学3年生が、女性ゴルフ起業家になるまで ——“嗅覚”を磨き、信頼できる大人と進んだ5年の軌跡」

2020年。社会が一気にオンラインへと切り替わり、多くの大学生が将来への不安と向き合っていた時期に、株式会社JoaGOLF代表・橋口アンさんは静かに起業の道を歩み始めました。
「やることがなかったんです」。
そう笑って話す彼女の背後には、決して“軽いノリ”だけでは語れない、確かな覚悟と学びが積み重なっています。

株式会社JoaGOLF代表 橋口アン氏

本記事では、これから起業したい方や、不動産賃貸業に新しい事業を横付けしたい方に向けて、橋口さんが5年間の活動で得たリアルな体験、そして起業の教訓をお届けします。

目次

ケガでプロゴルファーの道を断念。残されたのは「ヒマ」、でも消えない情熱だった

橋口さんはもともとプロゴルファーを目指していました。しかしケガによりその道を断念。
目標を失った大学3年生の2020年、コロナ禍で外出が制限され、時間だけが残ったといいます。

「コロナ禍ということもありヒマでやることがなかったんです。でも、だからこそ“お金を稼ぐ”ことにすごく興味が湧いてきて。手段は何でも良かったんですが、クラウドファンディングやオンラインミーティングが一般化していた時代背景もあって、学生起業に挑戦してみようと思ったんです」

この時期、ゴルフ競技人口はオンライン活用の広がりとともに“逆に盛り上がっていた”と言います。
その波に乗るように始めたゴルフ関連の事業が、後にJoaGOLFの礎となっていきました。

「大学生の女がプロゴルファーを抱える」——甘くない世界で出会った“悪い大人”

しかし、最初から順風満帆だったわけではありません。

「大学生の女がプロゴルファーを抱えるって、本当に大変でした。お金も時間もある“悪い人たち”が寄ってくるんです」

法人向けの仕事だけでなく、一般の方に向けたtoCモデルにも挑戦したことで、さらに多くの人と接する機会が増えました。
経験の浅い若い女性起業家を狙うような人たちも珍しくありません。

危険な話に巻き込まれそうになったことも、一歩間違えれば金銭トラブルに発展した可能性もあったといいます。
しかし橋口さんは、そこで“大きな失敗”をせずに済みました。

その理由をこう語ります。

「経験があったわけではない」—交流会で磨かれた“嗅覚”

「大きな失敗は、運が良かったのもありますが、周りに良い大人がいたおかげです」

学生起業家として活動するなかで、橋口さんは多くの交流会に足を運んできました。その中で、最初から知識があったわけではないにもかかわらず、人を見る“感覚”が少しずつ育っていったといいます。

交流会に参加するなかで少しずつ感覚が磨かれただけで、最初から経験があったわけではありません。
気づけば“信頼できる大人”を見抜く嗅覚のようなものが育っていたのかもしれません。

起業初期、自身を守るのは自分しかいません。
「性善説ではなく“性悪説”で見ることも大切」という橋口さんの言葉は、特に若い起業家にとって重要な教訓となるでしょう。

ゴルフスクールを2店舗経営。AIで「時代が追いついてきた」と感じた瞬間

現在、橋口さんはゴルフスクールを2店舗運営しています。
店舗ごとにインストラクターが異なれば、レッスンの進め方も充足率もスタッフごとのパフォーマンスも変わります。

そのなかでAIの活用も進んでいると話します。

「AIの業務利用って、時代がようやく追いついてきた感じがします。スタッフごとのレッスン状況や充足率など、データを見て経営判断に使えるのはすごく助かります」

ゴルフ事業とAIの組み合わせは一見遠いようですが、「複数店舗のマネジメント」という観点では非常に相性が良い領域です。

店舗数が増えるほど、アナログ管理での限界はすぐに訪れます。
これからゴルフ関連で起業したい方や、不動産賃貸業にスクール型ビジネスを横付けしたい方にとっては、非常に示唆に富むポイントです。

「女性起業家は、男女で参加費が違う交流会には行かない」

最後に、これから起業する人へのアドバイスを伺いました。

「女性起業家に特に言えるのは、男女で参加費が違う交流会には行かないほうがいいです」

起業家に対して“守ってくれる人”がいない環境では、リスクを避ける判断は極めて重要です。
性善説で人を信じるのではなく、「性悪説」でリスクを把握したうえで行動すること。
そのスタンスが、橋口さんを5年間守り、成長させたと言えます。

ゴルフスクールだけではない。 “女性が学びながら成長できる場所”をつくる

JoaGOLFは現在、

  • ゴルフスクール
  • ゴルフアパレル
  • ティーチングプロの育成(特に力を入れている)

の3つを展開しています。

中でも、ティーチングプロ育成は“全員女性・半年間のプログラム”で運営されており、セカンドキャリアとしての価値が非常に高い取り組みです。こういった内容に興味があり、一緒に事業を行う知識を学びたい!という方はお気軽にご連絡ください。

「学びながら成長できる場所をつくりたい」
そんな想いが根底にあります。

まとめ:起業は「勘」ではなく“磨かれた嗅覚”が未来を守る

橋口さんのストーリーから見えてくるのは、
「経験がないからこそ、感覚を磨き、自分を守る力をつける」 ということ。

  • やることがなくても、行動すれば道は開ける
  • 悪い大人もいるが、交流会で“嗅覚”は磨かれる
  • 女性起業家は特に自衛が大切
  • AIやデータは経営の意思決定を助けてくれる
  • 本気で学びたい人には、次のキャリアをつくる場がある

起業を考える読者にとって、橋口さんの言葉はきっと大きなヒントになるはずです。

株式会社JoaGOLF 公式ページ

https://www.joagolf.jp/
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この記事を書いた人

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