「何億円儲けた!」みたいな、派手な話じゃありません。
冒頭に告白しておくと、これから書くデイトレードの話は、テスタさんのような「数十億円稼ぎ出した!」というたぐいの、派手で耳目を集めるような話ではありません。
軽自動車くらいの元本で、月20万円、ヘタすると15万円くらいの純利益をコツコツとマーケットから抜いていく方法です。ただ、私の叩き上げの経験則と体験談に基づくものですで、ネットやSNS界隈で散見されるような、適当なノウハウではありません。
よく、投資にせよ投機にせよ「利大損小」と言われます。しかし、現実は「コツコツドカン」と言われるように、利益は微々たるものの積み重ねなのに、損が拡大してしまい、トータルでは大負けするのが、人間の性でこれは「感情」というものがある限り、付き纏うものです。理想は「利大損小」ですが、この辺りは自分の性格と向き合って、手法などを決めましょう。
投機スタイルは、自分の性格により決めていく。
「資産」にBETしてどっしり構える“投資”ではなく、目先の動きを追いかけて「機会」にBETする“投機”は損切りが命綱です。ここができないと「コツコツドカン」と資産を減らす一方であり、だいたい人類のメンタルの設定上、「負ける」ようにできており、統計的にも9割以上が敗退します。
解説すると人間のメンタルは利益が乗るとすぐに利確したくなるのに、損に対しては無理に堪えてしまうという精神構造を持っているためです。
投機スタイルは千差万別なので、自分と向き合ってから決めることが必要です。そこでまず、「損切り」を起点に設定するのかからスタート。「利大損小」ができる人は、もう「選ばれし人」なので、もしその才能があるなら、神に感謝しましょう。私も含め投機凡人の方は、自分の「損に対する耐性」を把握してみてください。
もっというと、「剛胆」か「ビビリ」かで判断してみてください。耐性が大きな人は、利益も大きくとり、損もある程度許容する「利大損大」で損切りラインを決定。私は良くいうと超リスクヘッザー、悪くいうと極端なビビリなので「利小損小」スタイルで、投機に挑みます。
真正面から自分と向き合うことの大切さ。日記も書こう。
これまで生きてきた中で、あなたと一番長い時間を過ごしてきたのは、言うまでもなく、あなた自身です。ただ「自分のことを一番把握できているか?」となると、疑問符がつくこともあります。
ですので、自分のスタイルを知る上で、ひとつの手がかりは「日記」です。投資・投機に関する日記を書くとき、「なぜそのポジションをとったのか?」という事実だけではなく、自分の感情も記しましょう。
私の場合は、ビビリであり怠惰なので、「本気じゃないと、取り組めない」という性格です。たとえば、「デモトレードなら勝てるけど、本番では大負け」という話を聞きますが、私は逆でした。「負けると損をする」という切羽詰まった状態に無いと、本気になれないので適当にやって負けてしまいます。
では、具体的なテクニックを。
では,実践的な話をしていきたいと思います。
まず、デイトレードで大切なのは、1にも2にも「値動き」です。
何はともあれ、大きく上昇しそうな、ピョコピョコと値動きする、「本日の活きの良い株」を見つけることが重要です。「活きの良い株」の見つけ方は、「材料が出た」「前日PTSで大きな値動きをした」「当日の、最大上昇率銘柄」などです。材料については経済ニュース、PTSや上昇銘柄については各証券会社のツールで調べることができます。
細かいことを言えば、「ちょっとした買いが入ったら値動きしやすい」という特徴のある、時価総額の低い会社を狙うなど色々あります。
私の場合、「活きの良い株」を選定する条件として、「空売りできるかどうか?」も加味します。「1日だけ空売りできる銘柄」なども各証券会社から出ているので、この辺りも含めて見て、「監視銘柄」とします。大金の種金で望むならともかく、小額の種金で手掛ける場合、「監視銘柄」はせいぜい10銘柄以下で充分で、場合によっては2~3銘柄でもいいでしょう。
前日に「監視銘柄」の下地をつくっておき、当日の寄り付き前と、直後に「監視銘柄」を作り上げます。ちなみに、「空売りできる銘柄」を選定条件に入れるのは、空売りを仕掛けられることもありますが、大きな理由は「踏み上げ」を狙えるからです。
別の原稿『空売りの恐ろしさと、それを凌駕する魅力と。』(https://bfp-investmentlabo.com/2023/02/10/tanki0003/)でも書いている通り、「踏み上げ」の恐怖とインパクトは凄まじいので、空売りが溜まっている銘柄を狙い撃ちするのも、一手になります。
利益を確保する戦法の一例。
「活きの良い株」を見つけたら、いよいよデイトレードスタートです。
だいたい、値動きが大きいのは寄り付きから30分以内、日によっては15分以内ということもあるので、その時間帯だけは「過集中」レベルで、没頭しましょう。
戦法については、「本格的な材料で急騰後、急下降した銘柄を拾う」「逆に、大した材料では無いのに暴騰してる銘柄を、上で空売り」「QUICKコーポレートアラートで網を張っておく」などなど、細かい条件を設定しだすと2時間以上くらいの講義が必要な尺になってしまうことと、これらのテクニックは詳しく説明しないと(というか、してもなのですが)、低元金なのに、普通に30秒で10万円がぶっ飛ぶのが朝飯前レベルなので、わかりやすくかつ、低リスクなテクニックを一例として上げたいと思います。
1000分の1に立ち向かえ!AIの裏をかいて儲けよう!
それが遥かな下値で、「指値」を入れておく方法です。
みなさん「高速取引(HFT)業者」という言葉を聞いたことはありませんか?
AIを駆使したコンピューターを用いて、高速取引を仕掛けてくる業者のことです。そのスピードはなんと1000分の1秒!。人間のクリックスピードで勝てる相手ではありません。
ただ、この連中の先回りをしておくと、1秒単位で利益を出す可能性が高まります。具体的には、上記の「活きの良い」株の中から、「人間が取引している状態では、有り得ない動き」をしている銘柄を割り出します。その銘柄は上下に激しく動いているので、その上下のレンジよりも遥か下に「指値」を入れておくのです。
すると、瞬きもできない1000分の1秒の間に暴落したタイミングでエントリーポイントをつくることができ、そして一瞬で株価が戻るので「利確」します。なお、銘柄購入前に、「どの程度上がったら利確。どの程度下がったら損切り」を予め予約した状態でエントリーしてください。
たとえば、「前日500円だった株価が、ストップ高付近の600円前後でピョコピョコと動いている状態」だとします。ここでは一旦「580円を挟んで、10円前後(570円~590円)の値動き」だと仮定しましょう。
ここで、550円、高くても560円の下値で「指値」を入れます。
この値動きは刻々と変わってくるので、たとえば徐々に「560円」まで下がってきたら、指値を取り下げてさらに20円程度下に指値を入れます。該当銘柄の値動きを追いかけながら、指値を入れる必要があるので板に張り付きになる必要があります。ここで利確ポイントを「10円」と欲張ってはいけません。
だいたい「5円上に行けば利確、5円下にいけば損切り」という「半値戻し」を軸にエントリーすると、成功確率が上がります。このやり方の良いところは、低リスクかつ、勝負がは一瞬で決まるところです。
また、取引が成立しないことも多いのですが、「取引が無い=損もない」ので、コツコツとマーケットからマネーを抜く方法としては一手かと思います。
化物が巣食うマーケットと、私がデイトレーダーをしていた理由と。
上記の方法以外に、ハイリスクハイリターンのやり方なども用いて、人生で2度ほどデイトレーダーとして生活したことあります。
そのうち1度はコロナ禍で、他のギャンブルをしていた人たちが一気にデイトレードに流れ込んだ時期があり、「勝てる可能性が高かった」からです。値動きの激しい株に群がる人々たちは、「イナゴ」と呼ばれていますがそのイナゴがさらに増大し、群衆化して変異状態になった人々が跋扈する時期がありました。
そこで、変異状態で冷静さを無くした彼らが好む銘柄のうち、空売りができるものを予め「監視銘柄」に入れておき、暴騰しきったポイントに空売りの指値を入れておくと、その後見事に暴落するので面白いようにイナゴ狩りをすることができたのです。
デイトレードは基本的にゼロサムゲームなので、誰かが得をしているときは、誰かが損をしています。その損分を冷静さを無くした群衆が担ってくれたわけです。この話は、別に自慢でも何でもなく、「本物の敵となる化物が相場に存在する」ということへの警告です。
相場には、ヘッジファンドなど機関投資家たちが巣食っており、彼らは明晰な頭脳と組織力、豊富な情報アクセス能力、しこたまの資金力などを持っており、なおかつ仕組み的にも一般投資家は空売りできない銘柄でも「空売り」することが可能です。そんな連中に真正面から戦って、土台勝てるわけがないのです。
ですので、「勝てる場面だけで参画」し、基本的にはしっかりと労働しつつ、嗜む程度の投機をオススメしたいなと思います。