「勝っている投資家ほど、株などの金融商品ではなく現金を抱えている」という事実をご存じでしょうか?
普段から証券を売買し続けるというのは、金融商品を売りたい営業マンに騙されているかもしれません。
そんなことにならないように、今回は実際の投資家が、様々な状況下で行動をとっているのかを解説していきます。
【ラジオ動画版はこちら】
素人のほうが、投資のプロより有利?
投資に限らずすべての勝負事でいえるのは、勝率を上げるためには「自分が勝てると思ったときだけ勝負すればよい」ということです。
プロの投資家は、投資信託などが運用の指標としている基準である「ベンチマーク」を達成できなければ、運用会社・顧客さんから怒られてしまいます。
ですので「相場が不利な状況である」と分かっていても、プロの投資家は、勝負しなければなりません。
また、証券を販売して手数料を得ることを目的としている証券会社等も同様で、仮に顧客にとって不利な相場状況だとしても「今が買い時です」と言わざるを得ないのです。
「プロの運用リターンは素人と変わらない」のではなく「プロという枷があるからこそ、素人より下手な人がいる」ということです。
こういった枷がない、自由な運用ができるファンドは一般募集販売などがされない、ごく一部のヘッジファンド・私募ファンドだけです。
ですので、弊社は基本的に、特別の目的がない限り投資信託には資金を入れることはありません。
現金とインフレ率
現在(2022年10月21日)、日本も含む各国は深刻なインフレ(物価上昇)に直面しています。
日本に関しては「これはインフレではなく、デフレが正常な物価水準に戻っただけではないのか?」という議論もありますが、それは置いておきます。
インフレが続いている中で、証券営業マンや銀行窓口では「日本円を貯金して持っていても、インフレ率と同じだけ目減り(購買力が下がる)するので、投資しましょう。」というのがセールストークになっています。
ですがこれは、手数料を稼ぐための提案です。
現金を株価が下がる可能性が高い今のマーケットで株式に変えてしまうと、投資がうまくいかなければインフレ率なんてかわいらしく見えるぐらい損をしてしまいます。
ですので、個別銘柄の株価や決算、業界予測などで「これはいけるだろう」と投資をするならよいのですが、手数料が高いだけの投資信託を、営業マンの勧められるままに購入したり、なんとなくで「インフレ対策に投資でも始めよう」としたりすると、失敗する可能背が高いです。
繰り返しますが「プロ投資家は現金を重視」しています。
決して不利な相場に資金を入れたりはしません。
「暴落時にあなたは買える」のか?
投資で大きなリターンを得るためには「不利な相場では現金を抱えて、暴落時に購入」することが「勝てる投資家」になるための大事な考え方とポイントです。
ですがここで一つ問題があります。
暴落している最中に株式を買う技術と勇気があるか?ということです。
下の画像はリーマンショック時のチャートの形です。
出典:http://apl.morningstar.co.jp/webasp/marketevent/page/r2008.html
このように、過去のことであれば「〇〇円から下落がはじまり、〇〇円で下げ止まったのだ」ということが一目瞭然です。
ですが、暴落の真最中で考えてみるとどうでしょうか?
下落がはじまった瞬間には「このくらいは調整である」といって、粘る。
もしくは下落が開始した時点で株式を買ってしまう。
そしてずるずる含み損が増える、もしくは「どこまで下がるんだ・・・?」と呆然として新規購入ができない。たいていの方は、暴落をリアルタイム経験するとこのような行動をとってしまいます。
そうならないために必要なのが大切なのが「準備」です。
もっと詳しく言うとすれば、シミュレーションと知識への投資です。
例えば「暴落相場では、一気に買ってはいけない」「ドルコスト平均法で分散して投資する」なんていう基礎の基礎知識はもとより「過去の暴落は何日間続いた」「下落の底入れは何を基準に判断するか」などです。
大切なのは、このような過去の記録をもとに「自分がこの相場のど真ん中にいればどんな行動をするだろう?」と考えることです。
▼まとめ
不利な相場の時は現金を抱えて暴落を待つ
暴落が来た時に備えて知識と技術への投資を行い準備する
暴落相場時には変な欲を出すのではなく、勝てるときが来るまで待つ、ということも大切です。
細かいポイントや、やるべきことはほかにも様々ありますが、勝てる投資家になるための基本的な考え方は以上です。
【2022年10月26日 1次改稿】