ここ数年、投資信託を購入する方が増加しています。そんな投資信託の運用先として選ばれているのが米国株です。たしかに米国株は長いスパンで見ると常に右肩上がりのトレンドとなっています。
しかし、ここ数年で角度の大きい右肩上がりとなっているのが、「インド株投信」や「ベトナム株投信」です。この投資先2か国の共通点が「人口ボーナス期」であることです。
日本でも人口ボーナス期があったのですが、株価は右肩上がりのトレンドとなっていました。そんな人口ボーナス期にかかった2か国のうち、今回はインド株に注目していきます。
人口ボーナス期に入るインドの人口構造
ついに中国を抜いて世界一となる人口を誇るインドの人口構造はどのようになっているでしょうか。
インドの人口は右肩上がりで緩やかな増加傾向にあります。そして今後もその傾向が継続していく見込みです。その人口構造を見てみると、生産年齢人口(15~64歳)が極めて多いのです。
この生産年齢人口は、生産活動や消費活動が活発な年齢層であり、国の成長には大変重要な年齢層となります。この年齢層の多さが続くと継続した経済成長が見込まれるのです。
日本の人口ボーナス期から成熟期に入る過程での株価推移
日本にも人口ボーナス期がありました。その時期の人口構成や株価推移を見ていきましょう。
日本の人口ボーナス期から成熟期にかけての人口構成
日本の人口ボーナス期の総人口と年齢別人口構成をみてみましょう。
ここで見ていただきたいのが、インドの2000年~2030年の年齢別人口構成の推移(推測を含む)と、日本の1950年~1990年における年齢別人口構成の数値が大変似ている点です。
40年をかけて0~14歳のゾーンは緩やかに減少していますが、15~64歳は増加していきます。これは経済活動の大きな柱となる生産年齢人口が増加していくので、その点が株価に反映する可能性を秘めているのです。
日本の人口ボーナス期の株価推移
日本の人口ボーナス期だった1950~1990年にかけての日経平均株価の推移を見てみましょう。
年 | 日経平均株価(大納会の日の終値) |
1950年 | 101円91銭 |
1955年 | 425円69銭 |
1960年 | 1,356円71銭 |
1965年 | 1,417円83銭 |
1970年 | 1,987円14銭 |
1975年 | 4,358円60銭 |
1980年 | 7,116円83銭 |
1985年 | 13,113円32銭 |
1990年 | 23,848円71銭 |
1950年を基準とすると、10年後の1960年は約13倍、20年後の1970年は約20倍、30年後の1980年は約70倍、40年後の1990年には約240倍にもなっています。1985年から1990年にかけてはいわゆる「バブル景気」という特殊要因があり、参考になるかどうかはわかりません。
インド株
インドの代表的な株価指標である「SENSEX30」の推移をみてみましょう。
年 | SENSEX30(年末取引日の終値) |
1999年 | 5005.82 |
2005年 | 不明 |
2010年 | 20,509.09 |
2015年 | 26,117.54 |
2020年 | 47,751.33 |
2022年 | 60,840.74 |
私の努力不足で一部株価が不明になっていますが、1999年を基準とすると、約20年後の2020年には約9倍、そして2023年12月11日現在は69,928.53と約14倍にもなっています。日本は20年で20倍となっているので、そこまではいかないまでも9倍は大きな成長です。
そのようなインド株で運用する投資信託の主な運用成績を見てみましょう。
投信名 | 2014年1月初日単価 | 2023年12月11日単価 | 年上昇率 |
野村インド株投資 | 17,890円 | 41,859円 | 約13.4% |
ダイワ・インド株ファンド | 8,713円 | 26,483円 | 約20.4% |
ブラックロック・インド株ファンド | 8,462円 | 27,196円 | 約22.1% |
JPMインド株アクティブ・オープン | 12,142円 | 32,518円 | 約16.8% |
高成長インド・中型株式ファンド | 12,431円 | 57,314円 | 約36.1% |
※ 単価は分配金再投資単価
※ブラックロック・インド株ファンドの単価は2023年11月の単価
今後も人口ボーナス期が続いていきますので、絶対とは言えませんが上昇する可能性があります。
まとめ
今回は、人口ボーナス期に入る外国株投資ということでインド株投信に注目してみました。日本の1950~1990年の人口ボーナス期とインドの2000年以降からの人口ボーナス期の人口構成が似ていることに着目し、株価推移も同じように推移するのではないかという推測のもと記事を書きました。
実際、日本は人口ボーナス期には大きな株価上昇がありました。そして、現在、人口ボーナス期にあるインド株も上昇トレンドの中にあります。今後も上昇の可能性があるインド株で運用する投資信託に注目です。
この記事の内容は、あくまでも個人的な推測であり、将来を保証するものではありません。投資判断はご自身の判断で行っていただきますようお願いいたします。