生成AIの需要に応えるエヌビディアの現状と今後について徹底解説

エヌビディアは、ゲームや自動運転、生成AIに用いられるGPU(画像処理用の半導体)を製造する大手半導体メーカーです。

2023年が始まってからエヌビディアは株価が約3倍高騰しましたが、大きな理由としてはChatGPTを始めとする生成AIが爆発的に普及し、エヌビディアのGPUの需要が爆発的に増えたことが挙げられます。

この記事では、2023年現在で、米国株の中で最も注目されていると言っても過言ではないエヌビディアの現状と今後どのようになっていくかの予想をしているので、エヌビディアへの投資を検討している人や保有している人に参考になると思います。

目次

エヌビディアの現状

エヌビディアの2023年11月から過去5年分のチャート
引用元:Trading View

上記のチャートをご覧になって明らかなように、エヌビディアは2022年に米国長期金利の急上昇によって下落していますが、2023年からは急騰しています。

これは冒頭でも述べたように生成AI用のGPUの需要が急激に増えたことによるものなので、詳しく解説します。

生成AIの爆発的普及による恩恵を受けている

生成AIとは、従来のAIでは難しかったコンテンツを創造できるAIのことです。

生成AIの代表格のChatGPTはサービス開始からわずか2ヶ月でアクティブユーザー数1億人を突破するなど、凄まじい速度で普及しています。

エヌビディアが生成AIの普及によって恩恵を受けているのは、2023年現在で生成AIの学習に必要なGPUの70%以上がエヌビディア製と考えられるからです。

生成AIは大量のデータから学習をして、新しいコンテンツを創造しますが、学習させる際には並列処理が得意なGPUを用いる必要があります。

2023年現在、効率的なAIトレーニングと推論能力を上げるGPUの1番手としての地位を確立していることで、エヌビディアのGPUは類をみない販売成功を納めています。

エヌビディアの業績と株価水準

引用元:日本経済新聞

上記の画像を見ても明らかですが、足元の業績の伸びが凄まじく、これはほとんどを生成AI用として生産しているデータセンター向けGPUの売上効果によるものです。

2023年11月22日に発表された第三四半期決算では、総売上が約181億2000万ドルなのに対して、データセンター向けが約145億1000万ドルで総売上の約80%を達成しました。

全体の営業利益は約104億1700万ドルで、前年は不調だったこともありますが、前年第三四半期と比較して約17.3倍という驚異的な成長を見せました。

日経新聞の2023年度第四半期は売上予想が約200億ドルで、営業利益予想が約115億8000万ドルで、第三四半期であれだけ好決算を出しても成長を続けていく見込みです。

2023年11月現在の株価は1株あたり約480ドルで、日経新聞の2024年1月期の予想は株価1株当たり利益が11.118ドルですが、予想PER(株価収益率)が50倍に届いていません。

株価が高騰して割安感は薄れましたが、今後も成長が見込まれるため、上昇余地はまだありそうです。

エヌビディアの今後について

エヌビディアはデータセンター向けGPUの売上のおかげで、直近の決算でものすごい好決算を出しましたが、これが一過性になってしまっては投資対象としての魅力が半減してしまいます。

エヌビディアの今後について見ていきましょう。

競争激化の可能性

エヌビディアは汎用性が高く並列処理が得意なGPUを製造していて、2023年現在は生成AI用のGPU市場で強固な地位を確立していますが、今後は競争が激化していく可能性があります。

その理由はエヌビディア製のGPUは大量のデータを学習させ、並列処理できる汎用性を持ち合わせていますが、今後のAIは明確な目的をもったアプリケーションがたくさん出てくることが予想され、目的に特化したGPUの需要が増える可能性があるからです。

具体的な競合としては以下のような企業が挙げられます。

  • マイクロソフト ChatGPTなどが自然な言語を出力できるようにしている大規模言語モデルのトレーニングと推論用に特化したMaia 100チップを投入
  • AMD ゲームやコンテンツ制作用に最適化されたGPUを提供
  • クアルコム モバイルデバイスに特化したAdreno GPUを提供

エヌビディアは開発環境やGPUの性能面で他社を圧倒しているので、業績がすぐに悪化する可能性は低いですが、今後競争にさらされるリスクは気にした方がいいでしょう。

エヌビディアの新製品GPUについて

エヌビディアは旺盛なAI需要の追い風を受けて、2024年以降も高成長が続くと発表しています。

その理由は、2023年10月1日に機関投資家向けIRで発表された新製品が将来的な売上寄与に貢献すると考えているからだと思われます。

引用元:楽天証券

上記の画像はエヌビディアが発表した2024年から新発売予定のGPUのロードマップを楽天証券が日本語に直して作成したものです。

画面中央の黒い太文字で書かれているのが、AI用のGPUのモデルですが、2021年にA100が普及し、2023年現在はH100が普及していて、今後は2024年にH200やB100、2025年にX100とどんどん上位モデルの発売が予定されています。

エヌビディアは2023年11月に行われた「Supercomputing 2023」でA100からB100までの推論能力にどれくらいの差があるのかをグラフで示しました。

そのグラフによると、A100を1とした場合は、H100が11倍、H200が18倍、B100はH200をさらに超える推論能力を持つとのことです。

現状でもChatGPTなどの素晴らしいAIの推論能力を支えるGPUを提供できてるにも関わらず、さらに性能の高いGPUを提供できる見込みなので、今後も高成長が続く可能性が高そうです。

まとめ

エヌビディアは2023年現在、生成AIの爆発的普及を受け業績が急拡大していて、市場で最も注目されていると言っても過言ではありません。

その分株価が急上昇していて、高値警戒感がありますが、競合と比較して優位性が高く、今後も成長を続けていく可能性が高いと思われます。

エヌビディアは魅力に満ちた銘柄なので、この記事でエヌビディアについての洞察を得るきっかけにしていただけたら幸いです。

この記事は投資経済マーケットについて学習および解説をすることを目的に作成されています。 投資や運用の推奨および加入や結果の保証を行うものではございません。 参考資料としてご 活用いただき、 運用う行う場合は自己責任 でお願いたし ます。

URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

本メディアを運営する「金融商品を売らない投資と財務の専門家」、BFPホールディングスです。

投資や財務の学習・計画補助・コンサルタントをご希望の方は、「こんなこと相談していいのかな・・・?」とお悩みになられる前にご連絡ください。

目次
閉じる