2022年に法人化し、現在は合同会社ESTとして全国の企業・行政の映像制作を手がける保﨑譲二さん。
しかしそのスタートは、華やかな映像業界のイメージとは異なり、サラリーマンとして働きながらの副業から始まった、極めて地道な一歩でした。
本記事では、これから起業したい方、そして不動産賃貸業など既存事業に新たなビジネスの“横付け”を検討している方に向け、保﨑さんの起業ストーリーと、実体験から得た教訓をお届けします。

起業のきっかけは「安定の中にある物足りなさ」
保﨑さんが個人事業主として映像制作を始めたのは2021年。
翌2022年には法人化し、映像制作を軸に事業を展開しています。
それ以前の彼は、大手人材派遣会社の支店長。
安定したポジション、恵まれた環境。
しかしその安定の裏で、「やりがいが足りない」と感じる自分がいたと言います。
きっかけは2020年のコロナ禍。
外出もできなくなり、自由が制限された中で何か始めようと思い、学生時代に映像の専門学校に通っていたことから、もう一度趣味で映像をやってみようと思いつきでカメラやドローンを買ったことで映像制作を始め、知り合い経由で仕事を受けるようになった当時。
保﨑さんは、自分個人として承認されたことに強い喜びを感じたと話します。
「僕の映像を見て元気が出た、きっかけになった、そう言ってもらえることが嬉しかったんです。それを社会にもっと広げたいと思いました」
人材派遣と映像制作という、一見遠い分野からの転身。
しかし「個として価値を届けたい」という想いは、まさに起業家が抱く根源的なエネルギーでもあります。
“待っていても問い合わせは来ない”——個人の営業の厳しさ
大手企業にいた頃、保﨑さんのもとには、黙っていても問い合わせが入り続けました。
しかし独立後、それは全く違う現実に変わります。
「一個人として営業して、受注しなきゃいけない。実績がないうちは安い金額で仕事をするしかなかったですね。起業してすぐの1年は、まさに『仕事を選べない時期』でした」
営業経験はあったものの、映像業界の相場観や強み、求められる品質は未知の領域。
学びながら、必死に仕事を取り続ける日々。
ここで重要なのは、大手人材会社の支店長という“鎧”が外れた瞬間、あなた自身がブランドになるということ。
僕の名前や実績で仕事が来るかどうか。
信頼してもらえるかどうか。
すべては自分の行動にかかっています。
人を見る力の難しさ——固定案件が入金されず“飛ばれた”現実
起業初期、最も大変だったことを尋ねると、保﨑さんは「人の見極め」と即答しました。
独立後、固定案件が決まり、経営が少し安定し始めた頃。
そのクライアントから、ある日突然入金が止まり、そのまま連絡が取れなくなったといいます。
「人を見るのは本当に難しいですね。営業ができても、人間関係のリスクは別。特に起業1年目は経験が浅い分、危険も多いです」
“人を見る力”は、ビジネスの最も大切なスキルの一つ。
しかしそれは、後から気づくことがほとんどです。
今思えば「弟子入りして人脈を作ればよかった」
「こうすればもっと良かったことはありますか?」と聞くと、保﨑さんは静かにこう答えました。
「人材業界から映像業界へ移ったとき、仲間がいなかったんです。自分で事業を始める前からの準備として、すでに活躍している人の監督や弟子入りから始めて、人脈を作っておけばよかったなと思います」
ただし一方で。そういった形でとった仕事、つまりは「人脈でとった案件が“飛んだ”こともある。」といいます。
「紹介だから大丈夫と安心していたけどだめでしたね。今にとってはいい経験ですが。」
これが起業のリアルであり、教科書には書かれない現実でもあります。
現場プレイヤーであるからこそ、AIは「めちゃめちゃ使う」
映像という仕事とAIの活用についてお伺いしたところ、やはり時代にのっかる形で様々な活用をされていました。
「経営ではあまり使ってませんが、プレイヤーとしてはめちゃめちゃ使っています。脚本づくりの0→1のたたきとか、SNS運用の方向性を作るとか、アイデア出しの段階はかなり効率化できますね」
会社のブランディングでも、AIでたたきをつくるそうです。
ただし、AI任せにしてしまう危うさも感じているとのこと。
「クライアントの中に、他社のプロジェクトをAIで丸投げしてくる人がいるんです。でもそれじゃ、あなたに依頼している意味がないですよね。頼るところは頼るけど、依存しすぎるのは違うと思います」
AIを“使いこなす側”に立つのか、“置き換えられる側”になるのか。
これはこれからの起業家にとって非常に重要な視点です。
「社会人経験がないなら、まず会社に入った方がいい」
これから起業する人へのアドバイスを伺うと、保﨑さんはこう言います。
「もし社会人経験がないなら、一回社員を経験した方がいい。商談やプロジェクトの進め方が分かるので、起業してから絶対に円滑に進みます」
映像業界には、インフルエンサーなど“ぶっ飛んだ人”も多く、
・納期に遅れる
・連絡がつかない
などは日常茶飯事。
しかし誠実に仕事を続けていると、「困ったときに助けてくれる人」が必ず現れます。
もう一つ大切なのは覚悟です。
「休みは休みじゃないので、不安はずっとつきまといます。でも覚悟を持てばどうとでもなります」
サラリーマンの安定から離れれば、全ての責任は自分に降りかかります。
それでも進みたいなら、覚悟するしかない。
保﨑さんの言葉は、これから起業する人の背中を静かに押してくれます。
中小企業のブランドを“映像で強くする”。ESTの提供価値
ESTが手がけているのは、
・映像制作
・SNS広告
・コマーシャル制作
など幅広い領域です。
特に特徴的なのは、
広告代理店を通さず、直接企業とやり取りしながら“ガチガチにクオリティが高い映像”を制作していること。
企業のTVCMとWEB映像を両方担当することも多く、
飲食店、車関連、行政案件など、全国の幅広い業種を手掛けています。
予算も、
・WEB映像:35万円程度〜
・TVCM:60万円程度〜(入稿業務まで含む)
と中小企業でも挑戦しやすく、
「しっかりブランドを作りたい会社」にとって非常に心強いパートナーになります。
まとめ:誠実さと覚悟が、個人のブランドを強くする
保﨑さんの5年間の歩みから見えてくるのは、
“個として信頼されることの価値”です。
- サラリーマンの看板は外れたら消える
- 個人としての営業はゼロからの信用づくり
- 人を見る力は経験で磨くしかない
- AIは味方にも脅威にもなる
- 誠実に続ける人にこそ、最後に人は集まる
起業は不安もリスクも大きい。
しかし「覚悟を持てばどうとでもなる」という保﨑さんの言葉には、実践者にしか言えない重みがあります。
これから事業を作りたい方にとって、その歩みは間違いなく参考になるはずです。
合同会社EST 公式ページ
https://www.films-est.com/


