購入先一覧
さて、今回はアンティークコインの具体的な購入方法というテーマで、ざっとまとめて解説していこうと思います。
ちなみに、筆者の考えでは「コイン投資の成否を分ける最大のポイント」は購入時にあると思っています。「購入先」の選定は、その中でも大きな要素になりますので、しっかりとそれぞれの特徴を捉えておきましょう。
※なお、コイン選定のポイントや注意点に関しては、これまで説明してきた内容と重複するため省略させていただきます。まだお読みになられていない方は、これまでの記事も併せてご参照ください。https://bfp-investmentlabo.com/tag/%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%bc%e3%82%af%e3%82%b3%e3%82%a4%e3%83%b3/
それでは、購入先の選択肢を一覧で並べてみます。
◎オークション
◎展示会・イベント
◎コインショップ(対面)
◎コインショップ(ネット経由)
◎個人との直接取引(対面)
◎個人との直接取引(ネット経由)
以下、順番に掘り下げていきます。
オークション
おそらく、コイン投資をされている方であれば、やはり最初に思い浮かぶのがこの方法なのではないかと思います。コインの相場価格の基準となるのも、オークションの落札結果が引用されることが多いです。
下記にざっと思い浮かんだ有名どころのオークションを並べてみます。
国内の有名どころオークション(一部抜粋)
>日本コインオークション(https://www.ncanet.co.jp/)
>オークションワールド(https://www.auction-world.co/)
>泰星コインオークション(https://auctions.taiseicoins.com/)
>銀座コインオークション(http://shop.ginzacoins.co.jp/auction/)
など
海外の有名どころオークション(一部抜粋)
>Heritage Auctions(https://www.ha.com)
>Stack’s Bowers(https://stacksbowers.com)
>Künker Auction(https://www.kuenker.de/en)
>SINCONA Auction(https://www.sincona.com/en/)
など
※「魅力がいっぱい!?アンティークコイン投資のメリット – 後編 -」(https://bfp-investmentlabo.com/2022/11/17/tyouki0008/)の記事で説明したように、海外まで含めてしまうと、数え切れないほどのオークションが開催されており、今回名前をあげたのも極々一部になります。ご興味のある方は、先にご紹介したSIXBIDのサイトなどを利用して、どんなオークションが開催されているのか、ご自身でも調べてみてください。
オークションを利用して購入するメリットとしては以下になります。
>まれに安く購入できることがある
>出品数が豊富(欲しいコインを見つけやすい)
>規模の大きなオークションでは独自基準での鑑定の目が入るため、安心感がある
逆にデメリットとしては以下になります。
>各種手数料が必要
>開催期間が決まっている
>競り合った場合、高値掴みするリスクがある
>狙っているコインが必ず落札できるとは限らない
さらに海外のオークションに参加する場合は、
言語、為替、関税などのハードルが加わってきます。
海外オークションへ入札したいが不安があるという方は、コインショップによっては入札代行を行なっている場合もありますので、ご自身が信頼を置いているショップ(コインディーラー)に一度相談してみるのもひとつの手かと思います。ただし、当然、そのための手数料を支払う必要は出てきますので、その点はあらかじめご承知おきください。
※海外まで話題を拡げると、説明が複雑になってきますので、以降は国内の話題に絞って説明をしていきます。
展示会・イベント
コイン投資を始めたいという方に対して、筆者が個人的によく勧めるのは、展示会やイベントに直接足を運んでみることです。
どこに行けば良いか分からない方は、日本貨幣商共同組合(https://www.jnda.or.jp/)の加盟業者による展示会のスケジュールをチェックしてみてください。
(第30回 東京国際コイン・コンベンションの様子 / 日本貨幣商共同組合ホームページより引用)
メリットは以下になります。
>偽物掴み・高値掴みのリスクが減らせる
>(オークションのような)手数料が発生しない
>一度に複数店舗の品ぞろえや接客を確認できる(お気に入りのショップを探せる)
>コイン実物を見たり、ディーラーとの会話を通じて経験値を溜められる
>裸コインも多く、数百円~のコインも探せる
デメリットとしては以下になります。
>開催期間が限られている
>開催地域が限られている(遠方からの場合は交通旅費が必要)
コインショップ(対面)
こちらは、実店舗へ直接足を運んで購入することを想定しています。
メリットとしては、
>偽物掴みのリスクが減らせる
>(オークションのような)手数料が発生しない
>コイン実物を見たり、ディーラーとの会話を通じて経験値を溜められる
の3つに加えて、
>常連となることで、ディーラーとの関係性を築ける
ということも挙げられるかと思います。
もしディーラーと仲良くなれれば、日々の困りごとや仲介での買い付けなどの相談にも乗ってもらいやすくなるでしょう。
※(こういうことを書くと怒られてしまうかもしれませんが)一応、店舗・お客さん両方のために、補足も書いておきます…。特に老舗店舗かなと思うのですが、コイン業界は割とシャイな方が多い印象を筆者は持っています。実際に話をし始めてみると良い方ばかりなのですが、飲食チェーンやアパレルショップのような愛相の良い接客に慣れている方は、最初は少々面食らってしまう可能性がある点は一応追記させていただきます。笑
また、デメリット(というか注意点)を2つ述べておこうと思います。
ひとつ目は
>購入を一店舗に絞ると、情報が限られてしまう
という点。
店舗にも当然、強み・弱みがあり、販売価格にもバラツキがあるはずです。
そういう状況下で、購入先を一店舗のみに絞るというのは、高値掴みのリスクが伴います。
リスク回避のためにも、複数の店舗や展示会・イベントなどにも足を運び、比較できる機会を意識的につくるようにしましょう。
ふたつ目は
>目当ての商品が常に店頭にあるとは限らない
という点です。
これは、こういったショップに行き慣れていない人には驚きかもしれません。
筆者自身、初めて、とある店舗に訪れた時は驚きました。
小さな店舗スペースに、ショーケースがいくつか並んでいたのですが、見ると中身がほとんど空だったのです。
どうしてか尋ねてみると、「数日後に控えた展示会への出店準備のため、商品の大半をスーツケースの中にしまってしまい、見せることが出来ない」とのことでした。
「では、日を改めて来れば見られるのか」と尋ねてみたところ、「その店舗の主要商品は、普段は別場所の金庫にしまっているため、やはり、いきなり来られてもほとんど見せられない」との返答でした。コインは高価なため、盗難防止としてそういった対応をしている店舗も多いようです。
実際に見たいコインがあり、コインショップに足を運ばれる際には、一度事前に電話をかけて伺っても問題がないか確認してから訪れることをオススメします。
コインショップ(ネット経由)
インターネット上での購入が可能なコインショップが増えてきました。
>どの地域から、いつでも購入が可能
というインターネットならではの大きなメリットに加え、
>(きちんとしたショップであれば)偽物掴みのリスクが減らせる
>(オークションのような)手数料が発生しない
というコインショップとしてのメリットも享受できるため、
購入者にとっては、非常に使い勝手が良い手段と言えます。
一方でデメリットとしては、
>実物を事前確認できない
>(全てではないが)若干高めの価格設定になるショップもあり
という点が挙げられます。
価格設定については、購入時の手軽さに大きな価値があるため、
少し利益を上乗せする程度であれば、まったく悪いこととは思わないのですが、
投資家である以上、相場価格はちゃんと把握しながら購入を進めたいものです。
※インターネットであるが故なのでしょうが、相場よりもはるかに高値で販売しているような新興業者も一部散見されます。パッと目の印象などに騙されず、複数のコインショップを比較し、そのショップが信用しても良いところか、慎重に見極めながら進めるようにしましょう。
個人との直接取引(対面)
これは、コレクター同士のコミュニティなどを活用し、
販売者と直接取引を行なうことを想定しています。
メリットとしては、
>価格交渉がしやすい
>(オークションのような)手数料が発生しない
>(交渉により)購入前の実物確認が可能
デメリットとしては、
>そもそも、良いコミュニティを見つけにくい
>偽物掴みのリスクがやや高め
>トラブルになった時にめんどくさい
といった点が挙げられます。
個人との直接取引(ネット経由)
ネット上のコミュニティを活用する他に、メルカリなどのフリマサイトや、ヤフオク、e-Bayなどを経由した取引を想定しています。
(後者は、ネットショップが運営しているものもありますが、注意点を踏まえ、こちらに分類させていただきました。)
メリットとしては、
>どの地域からでも購入が可能
>(方法によっては)手数料が発生しないものもある
>(方法によっては)価格交渉が可能なものもある
>裸コインも多く、数百円~のコインも探せる
一方でデメリットとしては、
>実物を事前確認できない
>偽物掴み・高値掴みのリスクが高め
といった点が挙げられます。
特に、偽物掴みには注意が必要ですので、購入する場合は、慎重に見極めてから進めるようにしましょう。
※コインの偽物掴みに関しては、「絶対に知っておくべき!アンティークコイン投資のデメリットと注意点」(https://bfp-investmentlabo.com/2022/12/02/tyouki0009/)の記事にて解説をしております。まだお読みになられていない方は、併せてご参照ください
次回予告
今回はアンティークコインの具体的な購入方法というテーマで、ざっと解説してみました。
次回は「具体的な売却方法」というテーマで解説してみようと思います。
引き続き、よろしくお願いいたします。
まとめ
筆者が考える、コイン投資の成否を分ける最大のポイントは、購入時にある。
オークションは、コイン投資家にとって最もスタンダードな方法。
コインの相場価格の基準となるのも、オークションの落札結果が引用されることが多い。
筆者の個人的にオススメの方法は、展示会やイベントに直接足を運んでみること。
購入先によって一長一短がある。特徴を理解して、使い分けるべし。