SOⅩ指数、アドバンテストの株価の動きを振り返り、今後を予想

世界の半導体関連株などの動きを見る上で、米国のSOⅩ指数(フィラデルフィア半導体株指数)の動向を参考にする投資家は多いでしょう。近年は、この指数の変動が大きくなっており、株式市場での注目度は高くなっています。今回は、SOⅩ指数のこれまでの推移を振り返り、今後を予想しました。また、日本の半導体関連株の中で底堅く推移している「アドバンテスト」の株価の動きについても取り上げました。今後の半導体関連株の動きを予想する上で、注目される現象が見られています。

目次

SOⅩ指数について

「SOX指数」につきましては、当サイトで2024年4月27日にて掲載しました。

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半導体が使用される産業は幅広く、パソコンやスマートフォン、電気製品、自動車など多岐にわたります。

SOⅩ指数の長期的な動き

図は、SOX指数の動きとその36カ月移動平均乖離率の推移を示したものです。SOX指数の推移を見ますと、2000年3月のITバブルと言われた場面で高値をつけた後は、リーマンショックのあった2008年まで軟調に推移しました。その後はコロナショックの影響を受けた2022年序盤までほぼ上昇傾向となりました。

36カ月移動平均かい離率の推移を見ますと、2000年3月にプラス240%まで上方にかい離した後、2008年にマイナス60%台まで低下しました。その後は2021年まで水準を徐々に切り上げてきたことが読み取れます。2024年の上昇場面では、2022年の上昇場面から水準を切り下げました。長期的な上昇の勢いはやや一服しつつあるかも知れません。足元の上昇は「AIバブル」ではないかとの指摘も聞かれます。

過去に大きく上昇した背景

  • 1995年あたりはインターネットの普及期で、2000年に高値をつけた背景となりました。
  • 2009年あたりはスマートフォンの普及期で、その後の上昇基調につながりました。
  • 足元では、生成AIの普及が注目されています。
  • 2022年は在庫調整が見られたため、足踏みを見せる場面がありましたが、今年は再び最高値を更新しました。

月別に見たSOX指数の騰落率

ここでは、SOX指数の月別の騰落率とともに、2001~2024年での平均騰落率を示しました。

2月に上昇したことには比較的良好な経験則がある

2月のSOX指数の動きは、前年10~12月期の経済指標や主要企業の決算が発表される時期なので重要だと考えます。

過去の動きを見ますと、2月のSOX指数の動きはその後のSOX指数の推移の参考になるのではないかと考えます。

  • SOX指数は、2000年に高値をつけ、2008年に安値をつけましたが、2001年から2009年までの2月は3勝6敗でした。
  • また、2021年に高値をつけましたが、2010年から2019年までの2月はすべて上昇となりました。
  • 2020年以降の2月の動きは上昇する年と下落する年が混在するようになり、動きは複雑になりました。

2月のSOX指数が上昇するか下落するかは、その後のSOX指数の動きを予測する上である程度参考になりそうです。

よくない傾向がある9月相場だが、上昇することには良い傾向がある 

9月のSOX指数の騰落状況は、2009~2023年までの15年のうち9回が下落となりました。2020年からは4年連続で下落となり、特によくない傾向が見られました。

2月と同様に9月のSOX指数の動きもその後のSOX指数の推移の参考になるのではないかと考えます。

  • 2000年から2003年までの9月はすべて下落となり、2004年の9月に上昇しました。2004年10月から12月のSOX指数は堅調に推移しました。
  • 2008年9月に下落となり、2009年9月に上昇しました。2009年の10月から12月のSOX指数は堅調に推移しました。
  • 2020~2023年までの9月はすべて下落となり、2024年9月にわずかながら上昇したことは、今後のSOX指数を占う上で良好な経験則が見られたと言えそうです。

かなり良好な傾向がある11月相場

11月のSOX指数はかなり良好な傾向があります。2009~2023年で見て13勝2敗で平均騰落率はプラス6.4%でした。今年の11月も、7-9月期の業績動向を受けて堅調に推移する期待が持てそうです。

良好な傾向がある12月相場

12月のSOX指数も、11月に劣りますが良好な傾向があります。2009~2023年で見て10勝5敗で平均騰落率は2.5%でした。

10~12月に基調が変わる年がある

SOX指数は、10~12月に底打ちとなった年がありました。2002年、2008年、2022年などです。

25日移動平均かい離率で見るSOⅩ指数の動き

図は、SOX指数の動きとその25日移動平均かい離率の推移を示したものです。

25日移動平均かい離率の推移を見ますと、2023年に高い水準を付けましたが、その後は矢印のように水準を切り下げてきました。この傾向がいつ変わるかが今後のSOX指数の動きを予想する上で一つの参考になると見ています。

半導体関連株の中で堅調さが目立つ「アドバンテスト」

日本の半導体関連株の動きを見ていますと、アドバンテストの堅調さが目立っています。

以下は、日本経済新聞朝刊10日10日19面に掲載されていた内容です。

エヌビディアのGPUのような先端品は製造工程が複雑化していることから「後工程」で使う装置の重要度が増しており、製品の出荷前に異常がないかなどを調べる検査装置を強みとするアドバンテストは恩恵を受けやすいようです。

25日移動平均かい離率で見るアドバンテストの動き

図は、アドバンテストの株価の動きとその25日移動平均乖離率の推移を示したものです。

ここに来て、株価が高値を更新したこと、25日移動平均かい離率が矢印のように切り下げて来た傾向から、切り上げる傾向になったことは、株価を予想する上で強気材料であると考えます。他の半導体関連株を占う上でも参考にしたい点です。

まとめ

今後の世界の半導体関連株の先行きを占う上では、生成AIが世界のビジネスにどう関与してくるかを見極めたいところです。

まだ不透明感のあるなかで、この数カ月は冴えない動きを見せる半導体関連株が多くあります。しかし、今回取り上げました「アドバンテスト」のように、堅調な推移が期待できそうな銘柄も見られています。成長が期待される分野だけに、各株価の動きは詳細に見ていきたいところです。

この記事は投資経済マーケットについて学習および解説をすることを目的に作成されています。 投資や運用の推奨および加入や結果の保証を行うものではございません。 参考資料としてご活用いただき、運用を行う場合は自己責任でお願いいたします。

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