お金が働く時代! 配当株で実現する賢い資産運用術

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お金を働かせるには?

国が国民の投資への参加を促す政策を打ち出しているためか、近年では「お金を働かせる」という言葉を耳にする機会が増えたように思います。

2024年から新NISAがスタートすることもあり、国民の投資への関心が高まっているのが現状です。

一方で、投資未経験の方は「お金を働かせる」とはどういうことだろうと思う方もいるでしょう。

 株式の売買を繰り返して利益を積み上げていく投資法に興味のある方もいるかもしれませんが、決して簡単なことではありません。

お金を働かせて資産を増やしていくどころか、資産が目減りしていくケースは珍しくないのです。

そこで、投資初心者におすすめなのが配当株による資産運用です。

配当株とは何か?

 まず、投資初心者のために配当株とは何かを説明しておきましょう。

 配当株とは、企業が株主に利益の一部を分配する株式です。一般的に、年1〜2回企業の利益の一部から配当金が株主に支払われます。

株式を保有していると配当を受け取れるのですが、配当を受け取る権利のある株主として登録されることが前提となります。

この権利が確定する日のことを権利確定日といい、通常は企業の決算日です。

権利確定日は配当を受け取れる権利を保有する株主として登録されるだけであり、実際に配当金が支払われるのは2〜3ヶ月後になります。

例えば、多くの大企業は3月が決算ですので、配当金が支払われるのは5月か6月あたりです。

株式の銘柄によって決算日は異なるので調べなくてはなりません。特別な利益が出た場合や特別な年には特別配当や記念配当をもらえるケースもあります。

配当株のメリットとリスク

 配当株のメリットは、定期的に企業から配当金をもらえることです。

 保有する株数に応じて配当金が支払われ、株価変動の影響を受けません。

 安定した収入がほしい人や長期的な資産形成を考えている人には向いています。

 ただし、配当株にもリスクがあるので注意が必要です。

先ほど説明しましたが、配当は企業の利益の一部から支払われるものであり、業績の悪化により利益が減れば配当も減るケースや配当金が支払われないケースもあります。 

配当株を見る場合、利回りに目がいきがちです。以前の私もそうでしたが、以下のような高配当株のランキングばかり見ていました。

出典:MINKABU 配当利回りランキング

このようなランキング表ばかり見ていると、高配当株を買いたくなります。これが配当株のリスクなので注意しましょう。

高配当を期待して購入した後、その企業の業績が悪化すると配当が減少するケースはよくあります。

 企業の業績や財務状況を注意深く分析し、長期的な視点で投資判断をすることが大切です。

この点に注意して投資すれば、配当株は安定的な収入を追求できる有望な投資先となります。

なぜ今、配当株が注目されているのか?

 今、配当株は投資家から注目されています。 この背景には、3つの理由があります。

 まず、2016年から継続している日本の低金利環境です。

出典:野村総合研究所SuperFocus、日本銀行のデータを基に野村アセットマネジメント作成 金利の推移(定期預金/1年)(1970年1月末~2022年3月末、月次)

出典:SBI証券 日本国債10年

これらの金融商品への投資を考える人は少ないのが現状です。ほとんどリターンが期待できないのでは投資する意味がありませんから、だれだって投資をしたくないでしょう。

そこで、預貯金や債券へ投資するよりも多くのリターンが期待できる投資先として配当株が注目されるようになったのです。

また、日本は高齢社会になっており、高齢者が老後生活の資金のために安定した収入が見込める配当株に魅力を感じていることも理由としてあります。老後の生活資金に不安を感じるのは誰でも避けたいものです。

さらに配当金を支払う側である企業の経営方針の転換も理由となっています。企業は多くの投資家に投資してもらいたいので、積極的に株主に対して配当を行う姿勢が鮮明となっているのです。そのため、配当株の利回りが上昇する傾向が顕著になっています。

これらの理由から、配当株は安定収入を求める投資家や長期的な資産形成を目指す人々にとって、魅力的な投資先として注目されています。

どうやって配当株を選ぶ?

 では、どうやって配当株を選べばいいのでしょうか。配当株を選ぶ際の2つのポイントを解説します。

まず、配当利回りの見方を知りましょう。配当利回りは、株価に対する配当金の割合を示す指標です。

 配当利回りを求める計算式は、以下のようになります。

 配当利回り(%)=一株当たりの年間配当金÷現在の株価×100

 例えば、配当金額が50円で株価が1,000円の場合、 

50÷1000×100=5

配当利回りは5%になります。

一般的には、配当利回りが4%を超える株式は高配当株です。

ただし、先述のとおり高配当株にはリスクがあるため、配当利回りだけで判断するのは避けましょう。

企業の業績が悪化すれば配当は減少する可能性がありますし、高配当株は株価が下落するケースもあるからです。

 配当利回りが高いか低いかだけでなく、企業の業績や財務状況もしっかりと分析して、トータルで投資判断をしましょう。

 配当利回りを見極めたら、次は安定企業を選びます。では、どうやって安定企業と判断すればいいのでしょうか。

 まずは、投資する企業の業界を選び、その業界の特徴を理解しましょう。

 次に、選んだ業界において、売上高や利益が安定している企業のリサーチです。

 さらに、選んだ企業の財務状況を慎重に精査し、安定性のある企業なのかを確認します。

 最後に、選んだ企業の配当利回りがどのように推移しているかをチェックし、将来の配当が安定しているかを評価するのです。

 簡単にできることではありませんし、時間と手間のかかることですが、このステップのとおりにすれば安定した配当株を選べます。これは大まかな流れを説明しただけですので、それぞれのステップでさらに精査する必要があることに注意してください。

まとめ

お金を効果的に働かせるためには、初心者には配当株が有益。

配当株は企業が株主に配当金を支払う株式で、通常年1〜2回の支払い。

配当株のメリットは定期的で安定的な収入と株価変動への強さ。リスクは企業業績悪化による減配可能性と高配当株の株価下落リスク。

低金利環境や高齢社会の影響で、安定収入を求める投資家にとって配当株が注目されている。

配当株の選び方には、配当利回りだけでなく企業の業績・財務を総合的に分析し、業界特徴を理解して将来の配当の安定性を確認することが重要。

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