ETF投資をはじめる方に!比較的気軽に取引できそうな東証ETF3選

目次

東証ETFをおさらい

前回の記事で「東証ETF」についてお話させていただきましたが、まずは簡単におさらいしましょう(リンク参照)

東証ETFは文字通り、東京証券取引所に上場する上場投資信託です。

投資対象は株式だけでなく、債券、REIT(リート)、通貨、コモディティ(商品)と様々ですし、投資先も日本だけでなく海外資産を対象とした銘柄がたくさんあります。

日本株とほぼ同じルールで売買・円決済でき、分配金も円で得られます。

中には外国税の二重課税調整をしてくれている銘柄もあり、海外ETFであれば確定申告で還付手続きが必要なものも該当銘柄は不要にしてくれています。

短所もあるから、投資する前に考慮しておきたいこと

どんな金融商品も長所と短所が必ずあります。

東証ETFの短所の一つが、流動性に欠ける銘柄が少なくないことです。

流動性は、投資家の売買量が多いか少ないかという話で、多い銘柄の方が望む値段で取引が成立する可能性が高くなります。

また、投資対象が同様でも、売買単位が異なる銘柄があり、投資額の下限が銘柄によって異なります。

そのあたりを考慮して、次に筆者が選んだ銘柄をいくつかご紹介させていただきます。

ライター:おせちーずが選ぶ比較的気軽に取引できそうな東証ETF

1)iシェアーズS&P 500 米国株 ETF(1655)

米国株を代表する指数であるS&P500に連動した東証ETFです。

外国勢の二重課税調整制度の対象とされています。

同様の性格をもつ東証ETFはほかにもいくつかありますが、1655を選択したのは、最低取引金額の低さと流動性の高さです。

2022年10月現在、最低取引単位10口で4,000円程度です。月に1万円程度と考えているとしたら2回に分散して購入することも可能です。

信託報酬率だけを考慮すれば、2558や2633に軍配が上がりますが、手軽さを重視してこちらを選びました。

出典: Yahoo! ファイナンス

2)MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信(2559)

MSCI All Country World Index、いわゆる「オルカン」に連動する東証ETFです。

外国勢の二重課税調整制度の対象とされています。

この株価指数は世界50か国の株式市場の時価総額の約85%をカバーするよう設計されています。とはいえ、全体の約60%が米国株で構成されていますが。

米国ETFであればティッカー【ACWI】が代表的商品ですが、2559は【ACWI】より信託報酬率が低いというアドバンテージもあります。

投資信託にも同様の商品がありますが、取引の機動力を求めるなら2559の方がいいかもしれません。

やや売買高が小さいことが2559の短所ではあります。

出典: Yahoo! ファイナンス

3)純金上場信託(現物国内保管型) (1540)

東証ETFにはコモディティ投資にもトライしやすいものが少なくありません。

原油、農産物、貴金属などコモディティには様々な種類がありますが、比較的身近なものは原油と金かなと思っています。

原油は需給の変化が大きいですが、金はどちらかと言えば金利に左右されやすく、米国の金利が上昇している2022年の局面では相対的に弱い資産ではあります。コモディティはそのものがキャッシュフローを生むわけではないので、金利が高い時には資金が入りにくいのです。

とはいえ、「有事の金」と言われるように、危機時に資金の退避先になったり、金利が下落傾向になる金融緩和相場で強さを見せます。また、日本においては円安のメリットを享受しやすい資産です。

1540はいくつかある金を対象とした東証ETFの中で、プライス的に取引しやすく、相対的に売買高も高かったため選びました。

一方、分配は原則ないことはあらかじめ理解したうえで取引したいものです。

ちなみに筆者はSPDR®ゴールド・シェア 受益証券(1326)を何年も前から持っていて5口のみをほったらかしています。

出典: Yahoo! ファイナンス

あれ? 日本株のETFは無いの??

ご紹介した3銘柄に、日本株のETFはありません。

東証ETFなのに日本株指数に連動するものが無いのは寂しい気もしますが、日本株投資の経験が20年以上の筆者が現在魅力的に思える日本株指数が実はほとんどありません

唯一それなりに希望を持っているのが大型株なのですが、大型株で構成されるTOPIX Core30に連動するNEXT FUNDS TOPIX Core30連動型上場投信(1311)は売買高が小さく、売りたいときに売れなさそう(実際ずいぶん昔にその経験をしたことがあります)に思えるので、ここでお勧めできませんでした。

現時点では日本株は指数で捉えるより、個別株の目利きを強化して取り組むべき資産かなと考えています。

まとめ

どんな金融商品にも長所と短所があり、東証ETFも同様

出口を考えて売買高が適度にあるものを選びたい

さしあたり3本選ぶとすれば、1655、2559、1540

残念ながら日本株を投資対象とした東証ETFは売買高が小さく、現時点でお勧めできるものがない


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この記事を書いた人

大学講師兼投資ライター
システムエンジニア->証券アナリスト->地方公務員->セミリタイアな中小企業の嘱託研究員->大学講師

CFP、FP1級、日本証券アナリスト協会認定証券アナリスト保有。
TOEIC950。MBA取得済。投資歴31年余り。

システムエンジニア時代に投信売買システム、生命保険契約管理システムに携わり、それらのしくみにも精通。
趣味はサッカー観戦(川崎Fサポ)、旅、読書、野菜栽培、フラワーアレンジメント。
がんサバイバーでもある。

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