ハイイールド債券ファンドは危険!?

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ハイイールド債券ファンドは危険!?

今回は被害者続出、「ハイイールド債券への投資」についてです。

2019年に老後の必要資産・2000万円問題が話題になり、様々な投資に注目が集まった際に、海外の高利回りの債券に投資して高い分配金を受け取れると人気になったハイイールド債券。

まぁ現実には、「金融機関が手数料を取れるから必死に販促しただけで、人気だったわけではない」のですが。

もし今、検討中の方。もうすでに買ってしまった方。安易に手を出して後から後悔する羽目に・・・なんてことにならないようにしましょう。

ハイイールド債券とは?

債券とは簡単に言うと、国や企業の「借金」を証券化したもののことです。

あらかじめ決まった期間保有することで、定期的に金利利息がもらえ、そして最終的に額面金額が払い戻される仕組みです(これを満期保有と呼びます)。

その中でも「高利回りの債券をハイイールド債」と呼びます。

「利回りが高いならいいのでは?」

と思われる方もいるかもしれませんが、そうではありません。

投資というのは「リスク=リターン」が原則です。

つまりハイリターンが期待できる投資というのは、裏を返せば同じぐらいリスクが付き物だということです。

ハイイールド債は信用度の格付けが低く、投資不適格債(ジャンク債)ともいわれています。債券の元金や利子の支払いが行われない可能性(信用リスク)が高いため、利回りが高く設定されています。

高い利回りからの運用収益が魅力ではありますが、投資資金を回収できず失う可能性が高いため投資に初心者の方にはおすすめできず、プロ向けの投資であるといえます。

「ハイイールド債券」という言い方をすれば聞こえはいいですが、はっきり言うと「格付けが低いジャンク債券を、印象のいい呼び方にしよう!」と、近年そう呼ばれるだけになったものです。

何故勧められるの?

この記事をご覧の方の中にも「証券会社や銀行でハイイールド債の投資信託を勧められた」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ではなぜリスクが高く、あまり一般向けではない証券会社や銀行がハイイールド債を営業マンは熱心に進めてくるのか?

それはずばり「手数料が高くて儲けになるからです!!!」

簡単にいうと、営業マンのノルマのためのカモになってしまっている可能性があります。

ハイイールド債は確かにが高利回りでの運用が期待できますが、債務不履行リスクがある、手数料が高額になる、流動性リスクがあり、売りたいときに買い手がつかない・・・等々様々なデメリットを加味して慎重にどう運用するかを選ばなければなりません。

分かりやすい話、お金を借りる側の立場になって考えてみてください。

金利1%でお金を貸してもらえる人と、金利15%でしか貸してもらえない人。

どちらのほうに信用があるのかなんて、言うまでもないですよね?

同じことが、債券の発行企業にも言えます。

そんな商品なのに営業マンが安易に進めてくるのは自分の成績に繋がるからです。

すべての営業マンが、とは言えませんが、まだ知識も浅いうちにしきりに勧められたら「騙されているのでは?」と疑ってみてもいいかもしれません。

どうしても「ハイイールド債でハイリターンを狙いたい!」という方がいらっしゃいましたら、安全性が高い国債などの金融商品と組み合わせることでリスクを低く抑え、ポートフォリオに組み入れて分散投資。同じハイイールド債であっても信用格付によって利回りとリスクが違うため、信用格付が高いものと、低めのハイイールド債をうまく組み合わせることで分散投資をすれば、リスクを回避しながら資産を増やせるかもしれません。

ですがあまりお勧めはしません。

そもそもこういう投資戦略は、資産を数十億円持っている人が、オーダーメイドした仕組債と組み合わせてやることです。

今回のまとめ

初心者の方ほど

「ハイリターンの投資で一発逆転だ!」と目先の利回りにつられて安易に手を出してしまうハイイールド債券。銀行窓口などでは投資信託として売られているので注意が必要です

検討する際は是非一歩引いた視点から、このお金を失っても生活は維持できるのか、自分の投資スタンスに当てはまっているのかなど改めて考えてみましょう。

営業マンに勧められた時もすぐに決断するのではなく、数日間冷静に考える時間や、第三者からの意見も踏まえ、焦って投資して全財産を失ってしまった・・・

なんてことにならないようにぜひ今回の記事を参考にして、慎重に選択していただければと思います。

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この記事を書いた人

「金融商品を売らない投資と財務の専門家」、株式会社BFPホールディングス 代表取締役。

株式・為替(FX)・不動産・事業投資など、総合的に投資を実行する現役の投資家兼アドバイザーとして活動中。2023年、書籍発行予定。

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