投資の中でも小額から始められ、厳選された銘柄でトレードできる魅力を持つのが外国為替証拠金取引のFXです。
株であれば安く買って高く売る、といった単純な手法で投資を始められますが、FXでは買いと売りによる注文を使い分けながら、しっかり戦術を考えてトレードを行う投資でもあります。
特にFXは、小額から始められると同時に平日であれば24時間トレード可能なため、日中は仕事で忙しいサラリーマンやOLが帰宅後に副業感覚で行う投資としても人気を集めています。
株式に比べると難しいイメージを持つかもしれませんが、銘柄の少なさや小額から始められるため、実際にトレードをしてみるとFXの方が始めやすい場合もあるのです。
そこで今回はFXがどのような投資なのか、特徴やメリット、デメリットを紹介していきます。
これからFXを始めようと考える人はぜひ、この記事を参考にしてみてください。
FXとは?
FXとは、外国為替証拠金取引(Foreign Exchange)の略称です。
通貨ごとの価格変動を利用した取引で利益を得る投資で、日本の円や米国のドルなど様々な通貨のトレード(取引)が可能となっています。
日本だけではなく世界中の通貨が様々な市場で取引されることから、FXは平日24時間の取引が可能です。
特に参加者や取引量が多い市場として、アジア経済圏を中心とした東京市場(9時~17時)、ヨーロッパの金融の中心であるロンドン市場(16時~2時)、米国のニューヨーク市場(21時~6時)、が3大市場と呼ばれています。
2国間の通貨交換
FXでは異なる国の通貨が1つのペアとなり銘柄を構成しています。
例えば、米国と日本の通貨ペアであるドル円、欧州と米国のユーロドル、欧州と日本のユーロ円などが存在します。
利益を出すためには通貨ペアの価格変動を狙う必要があり、ドル円の場合だと1ドル100円の時に買い注文を出し、1ドル110円へ上がった時に売れば10円分の利益が出せます。
それと、FXは買いだけではなく売りから注文を出せるため、上昇トレンドが続く相場だけではなく下降トレンドが続く相場でも利益を出せるトレードが行えるのです。
レバレッジが掛けられる
FXにはレバレッジと呼ばれる、テコの原理のような資金を増やす仕組みがあります。
レバレッジを使うと自分が用意した資金よりも、多い金額でトレードを行うことができ、国内では最大25倍のレバレッジを掛けたトレードが可能です。
例えば、10万円の資金を用意してFXを始める場合、レバレッジ25倍が掛かると実際のトレードでは250万分の資金でトレードできるようになります。
レバレッジはFX業者によって始めから25倍の設定が基本で、ロットと呼ばれる取引の枚数を設定することで資金の調整ができるため、資金全額をいきなり25倍でトレードしないよう調整できるのです。
スワップポイントによるインカムゲイン
世界中の国では通貨ごとに金利が設定してあり、通貨ペアの金利差によってスワップポイントと呼ばれる利益もしくは損失が発生します。
金利が高い国の通貨を買う場合はスワップポイントが貰えて利益になり、金利が低い国の通貨を買う場合には金利を支払うため損失となります。
スワップポイントは1日ごとに発生するため、今日ドル円で買い注文を出して明日に持ち越せば受け取ることができます。
ポジションを持ち続ければスワップポイントは毎日発生するためインカムゲインの性質を持っています。
ちなみに、FXの市場が閉まる週末にポジションを持ち越す場合には、後日2日分のスワップポイントを獲得できます。
FXのメリットを紹介
始めるのに難しさを持たれることもあるFXですが、実際には他の投資よりもFXの方が簡単で始めやすいメリットを多く持ちます。
ここからは実際に、FXが持つメリットを紹介していきましょう。
自分の時間に合わせたトレードができる
FXは週末の土日を除けば平日24時間トレードが可能です。
例えば、株式の場合だと日中市場が開催するため昼間働く人はトレードができませんが、FXであれば夜の時間を最大限トレードに活かせるのです。
それと、FXの3大市場は21時以降に開催するニューヨーク市場が一番値動きが大きくなるため、日本時間の夜はトレードを行う上でも最適な時間となります。
ちょうど盛り上がりを見せる夜に、リアルタイムでトレードできることから働く人に人気ある投資です。
小額資金から始められる
FXはレバレッジを掛けたトレードができるため小額から始められる投資です。
為替のレート(価格)によって必要な最低金額は異なりますが、人気のドル円であれば多くのFX業者で6万円前後あれば始められます。
FX業者の中には、トレードで注文を出す際の単位であるロット数を細かく引き下げている業者もあり、通常1ロットのところを0.1ロットからトレードができるため10分の1の6千円から始められる業者もあります。
投資と言えば大金が必要なイメージもありますが、FXなら小額で気軽に始められる投資になっています。
銘柄選びで迷うことが少ない
トレードを始めるためにはまず、銘柄を1つ選ばなければなりません。
株式や仮想通貨であれば無数に存在する銘柄から1つ選ばなければなりませんが、国内のFX業者は基本50前後の銘柄を取扱っており、その中でもメジャーな銘柄の数は10ペアもありません。
メジャーな銘柄としては、ドル円、ユーロ円、豪ドル円、ユーロドル、ポンドドル、の通貨ペアが人気で、トレードを行うための情報なども多く出回っています。
基本メジャーな通貨ペアでトレードを行う人がほとんどのため、50種類ある銘柄でも選べる数は数個であり、他の投資と比べて銘柄選びで迷うことが少ないのです。
銘柄選びで迷うことがないため、他の投資よりも始めやすい性質を持っています。
初心者でもテクニカル分析で効率よくトレードができる
FXは他の投資と比べても、テクニカル分析と呼ばれるチャート分析法を使う投資家が多い投資です。
世界経済の動きが価格に影響を与えるFXはファンダメンタルズ(企業や経済の状況変化を使った分析)による分析が難しく、過去のチャートの値動きから将来の価格変動を予測するテクニカル分析を好む投資家が多くいるのです。
さらにテクニカル分析を使えば、初心者でも最適なエントリー(発注)タイミングを調べることができ、現在のトレンドも一目で把握できるようになります。
テクニカル分析を使う投資家が多いことに加えて、初心者でも始めから最適なトレードができることから、投資の中でもFXが選ばれることがあります。
FXのデメリットを紹介
投資を始める上でリスクとなるデメリットを把握しておくことは重要です。
ここからはFXのデメリットを紹介していきます。
レバレッジが掛かる分リスクが高まる
FXはレバレッジを掛けられるおかげで小額による投資が可能ですが、レバレッジを掛ける分リスクが高まることを覚えておかなければなりません。
例えば、10万円の資金を用意して25倍のレバレッジを掛けた場合、250万円の資金でトレードができますが、利益と損失も25倍に上がるという意味でもあります。
1回のトレードで10万円分の値動きの利益を得ることができれば、逆の方向に動いていれば10万円の損失が発生することになります。
さらに、10万円で250万円分のトレードを行っているため、10万円以上の損失が発生した場合には追証と呼ばれる借金を抱えてしまう恐れもあるのです。
レバレッジを使ってリターンが高まればリスクも同時に高まるため、しっかりとしたリスク管理を行うことがFXを始めるためには必要です。
価格が一方通行で上がり続けることはない
2国間の通貨の価格変動でトレードを行うため、余程のことがなければいつまでも価格が上がり続けることはありません。
一時期価格上昇による上昇トレンドが発生したとしても、いつかは上昇が止まり価格が下がり下降トレンドに転じます。
つまり、株式や仮想通貨のように常にポジションを持ち続けることは基本的に無く、常に売り買いを繰り返す投資のため、出来る限り相場の情報を追い続けなければなりません。
買って放置といった投資は難しく、いつのまにかトレンドが変わっていることもあるため、臨機応変に立ち回るスタイルが必要とされる投資です。
世界でのニュースが為替価格に影響を与える
為替は世界情勢の影響を大きく受けるため、世界で起きた事件がFXでは大きな価格変動の要因になることがよくあります。
過去にはリーマンショックやコロナショックなど為替レートが大きく動く事件があったり、世界経済の中心である米国の経済指標1つの発表でレートが大きく動くこともあります。
実は日本の情勢が大きく動くよりも米国や欧州での事件の方がレートに影響を与えることも多いため、日本だけではなく世界中のニュースを追う必要があるのです。
株式のように国内企業の情報を追うだけではなく、FXでは世界情勢や米国の状況も追う必要があるため、収集する情報の違いについては気を付けなければなりません。
小額でリアルタイムにトレードしたい人におすすめ
今回はFXの特徴やメリットデメリットについて紹介してきました。
FXは平日24時間トレード可能で、レバレッジを活用できるため小額から始められる投資の1つです。
夜リアルタイムでトレードをしたい方や、サクッと銘柄を選んでトレードに集中したい方などにおすすめです。
ただし、レバレッジを欠けている分だけリスクが増えていることには注意しましょう。