過去の参議院選挙後のドル円相場と日経平均株価の動きを振り返る 

日経平均株価やドル円相場の動きを予想する上で、政治の動きは見逃せません。国政選挙の結果を受けて、どの政党が議席を伸ばすのか、政権の安定性はどうなのか、どのような政策が打ち出されるのかなどは、多くの投資家が注目しています。 

2025年7月20日に参議院選挙が行われました。今回は過去の参議院選挙前後での日経平均株価やドル円相場の動きを振り返ってみました。今後の日経平均株価、ドル円相場の行方を占う上で、参考にしたいと思います。 

目次

参議院選挙で与党(自民党・公明党)が敗北 

2025年7月20日に第27回参議院選挙が投開票されました。政権与党であります自民党、公明党は議席を大幅に減らし、参議院全体で過半数を下回ることになりました。約10カ月間の石破政権の運営に厳しい評価が下されました。 

石破首相は「政権運営を続投する」意向を表明しましたが、衆議院に続いて参議院でも自民党・公明党は過半数割れとなったことから、政権運営は厳しさを増します。法案の成立に向けて野党との協力がより必要になります。 

協力先の選択肢にあがりますのは、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党です。これらの党は、政策協議になれば自民党・公明党に自らの政策を実現するための(バラバラの)要求をしてくると思われます。これらの党は選挙時に消費税の減税を訴えており、(与党が公約に入れていない政策を取り入れるのは難しく)簡単に協力体制が整うかは不明です。 

今後の予定で、大きなハードルになりそうなものは、秋に召集予定の臨時国会に政府が提出する2025年度補正予算案です。物価高対策や米国のトランプ政権の関税措置にうまく対応できるかが注目されます。 

過去の参議院選挙後のドル円相場の動き 

下の表は、過去の参議院選挙から30営業日、60営業日のドル円相場の騰落率を示したものです。 

1992年以降の参議院選挙の60営業日後の騰落率を見ますと、安定政権であった1995年の参議院選挙、2004年、2016年、2019年、2022年の参議院選挙の後にドル高円安傾向が見られました。 

一方で、過去に政権与党が議席を減らした1998年(橋本政権)、2007年(第一次安倍政権)、2010年(菅政権)の参議院選挙の後では、円高ドル安が見られました。過去の傾向から見ると、今後は円高ドル安に振れやすいと言えそうです。ただし、日本が貿易赤字国になったことや日本の財政規律が不安視されていることなどを考えますと、今後は円高ドル安に振れにくいものと考えられます。2016年以降の参議院選挙の60営業日後の騰落率はすべて円安ドル高方向に動きました。 

過去の参議院選挙後の日経平均株価の動き 

下の表は、過去の参議院選挙から30営業日、60営業日の日経平均株価の騰落率を示したものです。 

1995年以降の参議院選挙からの30営業日の騰落率を見ますと、行き過ぎた円高が修正された1995年の参議院選挙、アベノミクスが行われていた2016年の参議院選挙、2022年の参議院選挙の後は上昇傾向が見られました。その他の7回では下落傾向が見られました。 

2001年は小泉首相が率いていました自由民主党が議席を増やしましたが、日経平均株価は大きく下落しました。ITバブルが崩壊したことが大きかったと思われます。 

与党が大きく議席を減らしました1998年(橋本内閣)、2007年(第一次安倍内閣)、2010年(菅内閣)の参議院選挙の後では、日経平均株価が軟調に推移したことが分かります。 

一方、2001年以降の参議院選挙からの60営業日後の騰落率を見ますと、30営業日後に下落した場合でも、持ち直す(騰落率が改善する)ケースが目立っています。参議院選挙が行われてから60営業日後にあたる、10月あたりは季節的に日経平均株価が安値を付けて反発をしやすい傾向があるのですが、政治への悲観論も後退しやすい傾向があるかも知れません。 

今回の参議院選挙時の相場環境について 

ここでは、今回の参議院選挙が行われました相場環境を振り返ってみたいと思います。 

米国ではトランプ大統領が2回目の大統領に就任し、各国に高い関税を要求するなど、相場環境(先行き)に不透明感が強かったと言えるでしょう。日本では、政治資金の問題で2024年の衆議院選挙で議席を減らしたなかで(少数与党として)物価高対策などに追われたことなど相場環境(先行き)は厳しい面がありました。 

今後の政局が相場に与える影響 

2025年の参議院選挙を受けて参議院でも少数になったことから、自民党・公明党による政治基盤はさらに弱くなることが予想されます。日本で政権が不安定化することは、(関税政策などで)米国との交渉力が下がることになると思われます。 

参議院選挙前に、「与党(自民党・公明党)は(減税を求める)野党に多くの議席を奪われる可能性が高い」との報道(予想)がなされた際に長期金利が上昇し、円が他通貨に対して売られる場面がありました。政権の不安定化が表面化すると、日本売り(株安・円安・債券安)が活発化する可能性がありそうです。 

まとめ 

今回は、過去の参議院選挙前後のドル円相場と日経平均株価の動きを振り返ってみました。政権への期待感が高まった2013年などは、行き過ぎた円高ドル安が修正され、日経平均株価にも良い影響を与えましたが、多くの参議院選挙の後は日経平均株価が軟調に推移しやすい傾向があります。 

今後は、与党が議席を減らした1998年、2007年、2010年の参議院選挙の後のように、日経平均株価は短期的には軟調に推移する可能性がありそうです。さらに、今回は日本の財政状況が不安視される可能性があるため、ドル円相場も円安に振れる可能性がありそうです。 

今回の参議院選挙の環境では、米国で大規模な関税政策が打ち出されたこと、日本では物価高が続いたことなど、政権与党にとっては厳しい面がありました。 

しかし、参議院選挙の60営業日後の日経平均株価を見ると、30営業日後から持ち直したケースが何度かありました。秋にかけては政権運営の枠組みが示されて政治への期待が高まる可能性があること、米国での関税政策などに落ち着きが見られる可能性があることなどから、日経平均株価は底堅さを見せる可能性もありそうです。 

この記事は投資経済マーケットについて学習および解説をすることを目的に作成されています。 投資や運用の推奨および加入や結果の保証を行うものではございません。 参考資料としてご活用いただき、運用を行う場合は自己責任でお願いいたします。

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