突然ですが、あなたは洗濯機や冷蔵庫を買う時、即決しますか?
ほとんどの方が「高い買い物だから、製品を見比べたり、同じ商品であってもどこが安いかなど、色々調べる」という答えを出されると思います。それが、当たり前です。
一方、株式投資はどうでしょうか?洗濯機よりも、基本的には高い買い物なのに「周りが買ってるから」「何となく選んだ」という方は、多いのではないでしょうか。むしろ、洗濯機であればどんなモノであっても、繰り返して使うことができますが、証券保管振替機構(略称・ほふり)によってデータ化された株は、その会社が破綻した時には、財産どころか、紙切れにすらなりません。
上場廃止で株価ほぼゼロは、日常茶飯事。
ちなみに「東証に上場している時点で優良企業だと証明されているのだから、会社が潰れるなんて可能性は低い」なんてことはなく、倒産(上場廃止)は身近な株式銘柄でも起こりえます。
例をあげると枚挙にいとまがありませんが、2012年に経営破綻し、最終的に“株価1円”になった「エルピーダメモリ」は、当時世界有数の半導体メーカーでしたし、2018年に会社更生法の適応を申請し、最終日24円の株価で上場廃止になった海洋掘削工事株式会社は、日本唯一の石油・天然ガス開発などのパイオニア。どちらの会社も「まさか潰れるとは」と、株主たちは思っていたことでしょう。さらに昔の話になりますが、日本四大証券と言われていた「山一證券株式会社」の自主廃業も、社会に大きなインパクトを与えました。
人は安易に「投資で儲ける方法」を知りたがります。
皆さんが、普段している仕事は簡単ですか?一朝一夕に、そのノウハウは簡単に身に付きますか?「あなたの仕事なんて、誰でも今日から出来るよ」と言われたらムッとするのではないでしょうか。でも、投資では「周りがやってるから」「ネット情報を見て」など、安易な手法でやりがちです。
投資の世界の「敵」は、世界レベルの最高学府を卒業する明晰な頭脳と、凄まじい野心の持ち主たちです。投機の世界であれば、1000分の1秒単位で勝負を仕掛けてくるHFT(アルゴリズムによる、超高速取引)というマシンが相手になります。絶対、太刀打ち出なんて出来ません。そんな彼らですら負けて、去ることがある鉄火場が、マーケットの世界です。そこに、さほど勉強もせず、ましてや怪しげなネット情報などに踊らされるなどは愚の骨頂。ノコノコ出ていき、カモネギにされるのは火を見るより明らかです。イージーに勝てるわけがありません。
ただ個人だからこそ、資金量も少ないからこそできることがあります。
それは「休む」ということです。 上記のような「プロ」は休むことは許されません。常に何かしら購入してポジションを持つなり、逆に会社が倒産したら利益が出るようなCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)といったヘッジ商品を仕込むなり、何かしら動いていなければ彼らの顧客である、世界の富裕層の投資家やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と言った機関投資家たちから、存在意義を否定されます。しかし、我々のような一般の素人が自己資金でやってる分には、「休む」ことをしていても、誰からも怒られる事ありませんので、気楽なものです。この気楽さが実は肝要です。
そもそも短期投資や投機に「絶対」はありません。
ノーベル賞受賞者2名が運用チームに加わったロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)というヘッジファンドがありました。「ありました」と、過去形になっているのは、1997年にタイから始まり、瞬く間に野火のような勢いで世界に広がった「アジア通貨危機」の影響で破綻したからです。つまり、「世界最高レベルの頭脳×2」を持ってしても、短期投資や投機では「負けることがある」ということです。もし「ノーベル賞2人を合わせたより、私は賢い」という根拠なき自信をお持ちであれば話は別ですが、ほとんどの人はそうでは無いと思います。なお、投資は『資産』と思われるものを保有することであり、投機とは「勝てそうな機会」にBETすることなので、似て非なるものになります。投機はわかりやすいところで言うと、デイトレードです。本原稿では、基本的に「投資」について記載しています。
では、いわゆる超長期的に鑑みた「投資の王道」とは。
引っ張っておいて何ですが「不景気の時に買って、好景気のときに売る」。ただそれだけです。小学生の時に「資本主義には景気循環がある」と、社会で習いますね。これを利用するのです。つまり“不景気”(お金の価値が上がり、モノが安くで買える)の時に「現金からモノへの変換」を実施。逆に“好景気”(モノが高くなり、相対的にお金の価値は下がっている)の時には「モノを売って現金化」する。──これを繰り返すだけでお金は増えていきます。具体的にわかりやすくいうと、「何とかショック」という時は、不景気で景気は低迷しています。逆に「何とかバブル」と言われている時(厳密には、バブルは弾けてから定義される)は、好景気の絶頂です。この「景気循環」を利用して、財産を増やすのです。
※続きは「超初心者こそ、景気循環を味方にせよ!」を御覧ください!
【2022年10月24日 1次改稿】