魅力がいっぱい!?アンティークコイン投資のメリット – 前編 –

目次

コイン投資のメリット(前回のおさらい)

さて、前回の記事で、私が考えるコイン投資のメリットをざっと一覧で挙げました。

・資産保全性(負けにくい投資対象)

・マーケットインフラが比較的整っている

・為替ヘッジとして利用できる

・保有や運搬のしやすさ

・幅広い価格帯

・趣味と実益を兼ねた投資対象

※業者によっては、真っ先に「相対取引ができる」点や「匿名性」をメリットとして挙げるところもありますが、個人的にこの点を強くプッシュするのはいかがなものか…と考えているため、本記事では敢えて説明を省かせていただきます。

今回は、この中でも私が最大のメリットと考えている「資産保全性」に焦点をあてて、掘り下げていきたいと思います。

資産保全性(負けにくい投資対象)

戦争や経済不安が起こると、その国の闇マーケットでは骨董品が飛び交うようになる、という噂を時々耳にします。

この噂が、嘘か誠かは分かりませんが、確かにコインを含む「骨董品」というカテゴリーは、一般的に「価格が下がらない(上がり続ける)」とよく言われ、資産の逃避先や将来不安への保険として、よく利用されているようです。

2008年にリーマンショックが起こり、軒並み投資商品が値下がりをする中においても、コイン価格が暴落せずに強さを見せたことは、コインの資産保全性の裏付けとして、よく語られるエピソードです。

前回の記事で説明したように、実際は「価格が下がることもある」わけですが、まずは一旦、骨董品の価格が上がる構造的理由について説明をしていきましょう。

(逆に、なぜ価格が下がるのかについては、また機会があれば、どこかでお話しようと思います。)

この構造的理由を一言で説明するなら、

「現存する数が限られており、希少性が高いから」です。

せっかくの機会なので、コインを何枚かお見せしながら説明しましょう。

こちらは、かの有名なアレクサンダー大王が生きていた紀元前336~323年の間にマケドニア王国で実際に流通していたコインです。つまり2300年以上前から存在している古代のコイン、ということになります。

実は、現存確認されている枚数としては比較的多い種類なので、一気に価格が暴騰するというシナリオは考えにくいコインかもしれません。しかし、当たり前の話ですが、このコインの現存数を今から増やすのは不可能です。どこかの場所から状態の良いコインが大量に発掘された上に、それらがマーケットに放出されるという奇跡が重ならない限り、このコインが価値を大きく失うことは、考えにくいでしょう。

こちらのコインは、200年以上前のイギリスのコインで、一般流通用のコインではない特別仕様になっています。おそらくは、贈答用として制作されたものでしょう。当然、一般流通用に比べて枚数が少なく、希少性がそれなりに高いコインだと言えます。

またコインには、発行枚数の記録が残っているものが多く存在します。発行枚数の少ないコインは、希少性が担保されているということで、価格が下がりにくく伸びやすい傾向にあります。

中には数枚しか作られなかったという幻級のコインもあり、そういったコインの中には1億円以上の価格で取引されているものも存在します。

モノの価格を決定付ける要因は、需要と供給。

「需要」は、増え続けるマーケット参入者。

「供給」は、枚数に限りがあるコインです。

この関係性が理解できれば、自ずと「価格が下がらない(上がり続ける)」理由が分かっていただけるのではないかと思います。

私の失敗談

ここで、私の黒歴史をご紹介します。

2015年の年末、コイン投資に興味を持った私は、生まれて初めて金貨を購入しました。その時に出会ったとても気さくなディーラーは、柔らかい笑顔とコインを語るときの熱量のギャップが印象的な、非常に好感の持てる方でした。お店で一番のお勧めですと紹介されたコインはとても美しく、私はすぐに魅了されてしまいました。

・・・読者の方はもう嫌な予感を持っておられると思います(笑)

そうです、実はこの時、私は完全に騙されていて、がっつり高値掴みをさせられていました。その場で思い切って約80万円ほどで購入したコインでしたが、後から調べたところ、当時20~30万円程度が相場だと分かり、非常に強いショックを受けました。

しかし、コインの場合、価格というのは当人同士の取り決めが全てですので、誰にも文句を言うことはできません。

言われるがままに購入してしまった自分への怒りとあまりの悔しさに、自力でちゃんと勉強して取り返してやろうと誓ったのが、今の自分のコインコレクターとしての原点になります。

失敗後の話

本当に恥ずかしく、本当に情けない過去です。

ではなぜ、この場で私の黒歴史をさらけ出したのか。

それは、その後のコインの価格推移を伝えたかったからです。

つい先日、2022年10月、国内で開かれたとあるオークションで、私が当時購入したコインと同じデザイン・同じ発行年・同じ鑑定グレードのコインが出品されていました。

落札結果を確認すると、176万円(手数料含む)でした。

そうです、7年前に明らかな高値掴みをさせられたコインが、今は倍以上の価格となり、当時の実際の相場価格からは6倍以上になっているという現実があるのです。

投資家がやってはいけないとされるものの中で「塩漬け」という言葉がありますが、コインが本物でポイントを外していない銘柄なのであれば、塩漬けであったはずのコインが取り出す時にはシロップ漬けのような甘味を持って生まれ変わっているというストーリーも、割と現実的な話なのです。

私自身、当時はかなりショックを受けましたが、一方で値上がり要素の高いコインであることも理解していたので、いずれ追いついてくるだろうという楽観的な考えに切り替え、保有を続けていました。

コインは、膝をつき頭を抱え、自分で敗北を認めるほどの大失態を演じたとしても、価値がゼロになることは基本的になく、ダメージが比較的少ない。そして、保有さえしておけば、将来的にリカバーする可能性を持った投資対象と言えます。

これが、私がアンティークコインを負けにくい投資だという理由になります。

次回予告

今回は、私の体験談も交えて、コインの「資産保全性」に焦点を当てて話をさせていただきました。体験談であるが故に、若干偏りが出てしまう内容かなとも思いましたが、より実感を伴って読んでいただきたいとの想いで書かせていただきましたので、ご理解いただけますと幸いです。

次回は、コインの残りのメリット、

・マーケットインフラが比較的整っている

・為替ヘッジとして利用できる

・保有や運搬のしやすさ

・幅広い価格帯

・趣味と実益を兼ねた投資対象

について、掘り下げていきたいと思います。

また、メリットについて語った後は、リスクやデメリットについてもお話をさせていただこうと思いますので、併せてお読みいただけますと幸いです。

まとめ

コインを含む「骨董品」は、一般的に「価格が下がらない(上がり続ける)」と言われ、資産の逃避先や将来不安への保険としてよく利用される。

コインの価格が下がらない理由は、現存する数が限られているという「希少性」の高さ。

価格を決定付ける要因は、需要と供給。

コインにおける「需要」とは、増え続けるマーケット参入者。

「供給」とは、枚数に限りがあるコイン。

コイン投資の最大のメリットは負けにくさ。

失敗しても価値がゼロになることはなく、ダメージが比較的少ない。

そして、保有さえしておけば、将来的にリカバーする可能性がある。

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この記事を書いた人

京都に暮らす、おっちゃん。

株式投資の他、アンティークコインや仮想通貨などへの投資経験を持つ。

本業の傍ら、いかに精神的・肉体的負荷を減らしながら投資を継続していくかを重視しています。

ちなみに、本業はフリーランスのデザイナー。

趣味は古銭収集と猫吸い。

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