日本株のけん引役は半導体関連株である
2024年に入ってから顕著なように感じますが、日本株指数、特に日経平均株価はエヌビディア(NVDA)の株価や業績に相関しているように感じていました。
3ヶ月で比較したら、エヌビディア(赤)の上昇の勢いが強すぎて、日経平均株価(水色)の推移が非常にさみしい感じになってしまいましたが。
エヌビディアが儲かるなら、周辺産業が儲かるわけで、ここまでの日本株上昇のけん引役は半導体関連株抜きにして語れません。
この記事では、半導体関連の日本株を知るうえで知っておきたい株価指数をご紹介します。
FactSet Japan Semiconductor Index
ファクトセット日本半導体指数は、成長する日本国内の半導体産業の業績を追跡するために設計された株式ベンチマークであり、半導体製造、半導体関連材料、処理装置等に関する銘柄で構成されます。30〜40銘柄で構成されます。
浮動株調整済み修正時価総額加重指数で、1月と7月の最終営業日に見直しおよびリバランスされます。見直しは原則5営業日前に発表されます。
2021年8月に算出開始され、2017年1月末まで遡及して算出されています。
東京証券取引所に上場し、時価総額が300億円以上、3ヶ月1日平均の売買代金が2億円以上であることが採用の条件です。
また、見直し時に入れ替え対象にならない条件は、時価総額が240億円以上、1日平均の売買代金が1.6億円以上です。
この指数への連動を目指す東証ETFがあります。
グローバルX 半導体関連 日本株式ETF(2644)です。
Global Xのwebsiteでは構成銘柄をすべて公開しています。
この記事の後半で確認しましょう。
日経半導体株指数
その名の通り日本経済新聞社が算出・公表する指数です。
2024年3月25日から算出しています。
東証に上場する銘柄を対象に、日経NEEDS業種分類で半導体関連業種に属している銘柄から30銘柄で構成します。
時価総額ウエイト方式で算出し、1銘柄のウエイト上限は15%、半導体関連事業が主力でない場合は5%とします。
銘柄入替は年1回11月に実施します。
2011年11月末まで遡及して算出します。
こちらは、算出開始から日が浅いのでまだ連動商品はありません。
2つの指数の構成銘柄を比較
ではご紹介した2つの指数の構成銘柄を比較します。
銘柄コード | 銘柄名 | FactSet Semiconductor | 日経半導体 |
2760 | 東京エレクトロンデバイス | 〇 | 〇 |
3132 | マクニカHD | 〇 | 〇 |
3445 | RS Technologies | 〇 | |
3436 | SUMCO | 〇 | |
4043 | トクヤマ | 〇 | |
4063 | 信越化学工業 | 〇 | |
4185 | JSR | 〇 | |
4186 | 東京応化工業 | 〇 | |
4203 | 住友ベークライト | 〇 | |
4272 | 日本化薬 | 〇 | |
4369 | トリケミカル研究所 | 〇 | |
4401 | ADEKA | 〇 | |
4626 | 太陽HD | 〇 | |
4980 | デクセリアルズ | 〇 | |
6146 | ディスコ | 〇 | 〇 |
6228 | ジェイ・イー・ティ | 〇 | |
6235 | オプトラン | 〇 | |
6266 | タツモ | 〇 | |
6315 | TOWA | 〇 | 〇 |
6323 | ローツェ | 〇 | 〇 |
6387 | サムコ | 〇 | |
6525 | KOKUSAI ELECTRIC | 〇 | |
6526 | ソシオネクスト | 〇 | 〇 |
6590 | 芝浦メカトロニクス | 〇 | |
6627 | テラプローブ | 〇 | |
6677 | エスケーエレクトロニクス | 〇 | |
6707 | サンケン電気 | 〇 | 〇 |
6723 | ルネサスエレクトロニクス | 〇 | 〇 |
6728 | アルバック | 〇 | 〇 |
6758 | ソニーG | 〇 | |
6770 | アルプスアルパイン | 〇 | |
6857 | アドバンテスト | 〇 | 〇 |
6871 | 日本マイクロニクス | 〇 | |
6875 | メガチップス | 〇 | |
6890 | フェローテックHD | 〇 | |
6920 | レーザーテック | 〇 | 〇 |
6929 | 日本セラミック | 〇 | |
6941 | 山一電機 | 〇 | |
6963 | ローム | 〇 | 〇 |
7433 | 伯東 | 〇 | |
7729 | 東京精密 | 〇 | 〇 |
7735 | SCREENホールディングス | 〇 | 〇 |
7741 | HOYA | 〇 | |
8035 | 東京エレクトロン | 〇 | 〇 |
8068 | 菱洋エレクトロ | 〇 | |
8154 | 加賀電子 | 〇 | |
8155 | 三益半導体工業 | 〇 |
「半導体指数」と名前がついていても、2指数の両方に採用されている銘柄(青フォント)は15銘柄しかありません。
FactSet Japan Semiconductor Indexは中小型株が多いです。
時価総額の下限が低いので1,000億円を切る銘柄もそれなりにあります。
半導体市況が非常に活況であれば、パフォーマンスはよさそうですが、中小型株が少なくない故、シリコンサイクルの低迷期には大きく下げる性格を持ちそうです。
2644を保有する方は、念頭に置いた方がいいでしょう。
日経半導体株指数は、半導体材料企業が多いです。この類の銘柄がFactSet Japan Semiconductor Indexでは対象外となっているようで、銘柄の重なりが少ない理由になっています。
この指数の比較がもたらす示唆は、「日本の半導体関連株」といえば、2指数の両方に採用されている15銘柄である、ということでしょうか。
半導体市況が好転する際は最初に投資家の資金が入る傾向があるでしょう。
まとめ
FactSet Japan Semiconductor Indexは中小型株が多い
日経半導体株指数は材料企業が多い
2指数両方に採用されている15銘柄は、「日本の半導体関連株」の代表的存在と言えそう