※この記事は、外部のライターによって執筆されたものをBFP編集部が校閲したものです。長年の不動産投資の経験をもとに、区分所有マンションを中心に資産形成を進めてきた実践的なアドバイスを共有しています。本記事では、投資戦略や物件選定、融資の最適化方法など、具体的な手法について詳しく触れていますが弊社の方針意見ではないのでその旨ご留意の上ご活用ください。
また記事の後半には、弊社の専門家からのフィードバックを付け加えております。弊社が投資家の方にアドバイザリーを行う際の内容となっておりますので、ご参考にしていただけると幸いです。
自己紹介(属性)
私は40代の会社員で、妻と子どもがいる家庭を持ちながら不動産投資を行っています。2014年ごろから本格的に不動産投資を始め、現在は東京都内および福岡県で区分所有マンションのオーナーチェンジ案件を中心に投資を進めています。
本業の収入が安定している一方で、毎年の税負担の大きさに悩まされておりましたので、合法的な節税をしながら資産を増やす方法として、不動産投資に興味を持ちました。
不動産投資を始めたきっかけ
会社員として年収が増えるにつれて、所得税や住民税の負担が大きくなり、「もっと賢く資産を形成する方法はないか?」と模索するようになりました。
最初は株式投資にも挑戦しましたが、市場の変動が激しく、長期的な資産形成に不安を感じていたとき、不動産投資に詳しい先輩から、「不動産投資は節税と資産形成の両方に有効」という話を聞き、勉強をスタートしました。
そして、不動産投資の最大の魅力である、不動産の減価償却費を活用することで、課税所得を圧縮し、所得税や住民税の負担軽減が可能であることを知りました。
減価償却とは、不動産の建物部分の価値が年々減少していくことを会計上考慮し、一定期間にわたって費用として計上できる仕組みです。
例えば、築古のRC造マンションを購入した場合、耐用年数は47年ですが、中古物件では残存耐用年数の計算が異なり、短期間で減価償却を行うことができます。
この減価償却費を活用し、不動産所得を赤字とすることで給与所得との損益通算により、毎年の課税所得を引き下げ、その結果として、所得税や住民税の還付を受けることが可能です。こうした節税効果を活かしながら、長期的な資産形成を進めることができる点が不動産投資の魅力だと感じました。
こうして、最初の区分所有マンションを購入し、不動産投資の世界に足を踏み入れることになりました。
具体的に行動していること
不動産投資で成功するためには、事前のリサーチと戦略的な行動が欠かせません。私は、物件の選定から融資の最適化、出口戦略に至るまで、慎重に計画を立てています。特に、安定した収益を確保しながらリスクを抑えるために、エリア選定戦略・物件選定戦略・ローン戦略・出口戦略の4つの軸を重視しています。
① エリア選定戦略
私が投資するエリアは、東京都内と福岡県に絞っています。この2つのエリアを選んだ理由は、
- 人口流入が増加傾向にあること
- 賃貸需要が安定していること
- 資産価値が比較的下がりにくいこと
特に福岡県は、地方都市の中でも人口増加が続いており、賃貸市場が活発なため長期的な安定収益が見込めます。また、東京都内は安定した賃貸需要があるため、売却時の流動性も高く、資産価値が維持されやすいというメリットがあります。これにより、投資戦略として「保有期間を5年以上とし、譲渡税が軽減されるタイミングで売却する」ことが可能となります。
②物件選定戦略
私の物件選定戦略は、区分所有のオーナーチェンジ物件を購入することです。
その理由は、
- 家賃収入がすぐに得られる(購入後、すぐにキャッシュフローが発生)
- 空室リスクを回避しやすい(すでに入居者がいる)
- 購入時の収支シミュレーションが立てやすい
オーナーチェンジ物件を選ぶことで、購入直後から賃料収入を得ることができ、初期の資金繰りがスムーズになります。また、入居者の属性や支払い実績を確認できるため、リスクを大幅に軽減できます。
③ローン戦略
不動産投資では、低金利での融資を受けることで、毎月のキャッシュフローを安定させ、投資効率を高めることが重要です。そのためには、都市銀行・地方銀行・ネット銀行など、さまざまな金融機関を比較し、最適な条件を引き出すことが求められます。
私が意識して実践している行動としては、
- 金融機関との関係構築を強化
(取引実績を増やし、信頼関係を築くことで優遇金利を引き出す) - フルローン・オーバーローンの可能性を探る
(自己資金を温存し、レバレッジ効果を最大化) - 融資担当者とのコミュニケーションを密にする
(交渉力を高め、条件の柔軟性を引き出す) - ネット銀行の低金利ローンを活用
(メガバンクや地方銀行よりも低金利で、手続きもスムーズ)
特にネット銀行のローンは、金利が低く、手続きが迅速であることがメリットです。
ただし、各金融機関の融資条件や審査基準が異なるため、複数の選択肢を比較しながら、最も適したローンプランを選ぶことが成功のカギとなります。
以上、いつもご依頼を受ける際に、この方だったら弊社がどんな提案をするか?の追記でした。皆様もぜひご参考にしてみてくださいね。
④出口戦略
投資物件の売却では、譲渡税が下がるタイミングを見据えた売却を意識しています。例えば、不動産を所有して5年以上経過すると、短期譲渡税(約39%)が長期譲渡税(約20%)へと減少します。このタイミングを狙い、売却益を確保しながら次の物件購入資金に充てることで、購入・運用・売却のローテーションを確立しています。
また、出口戦略を成功させるためには、市場環境を適切に分析し、売却時期を見極めることが重要です。具体的には、以下3つのポイントを考慮しながら戦略を立てています。
1.不動産市場のサイクルを考慮する
景気の動向や金利の変化を見極め、不動産価格が高騰しているタイミングで売却を行う。需要の高いエリアでの物件は、賃貸利回りの低下とともに価格が上昇する傾向があるため、適切な売却時期を見極める。
2.キャッシュフローと税負担のバランスを考慮する
長期譲渡税の軽減を活かしつつ、売却益が最大化されるタイミングを計る。売却後の資金を次の投資に円滑に回せるよう、キャッシュフロー管理を徹底する。
3.売却前の資産価値向上対策
物件の魅力を高めるため、適切なリフォームや修繕を行い、売却価格を引き上げる。賃貸契約の条件を見直し、安定した家賃収入が見込める状態で売却することで、投資家や法人買主にとって魅力的な物件とする。
このように、単に5年を超えたタイミングで売却するのではなく、市場の状況や物件の価値向上を考慮しながら、最適な出口戦略を実施することが重要です。こうした戦略を活用することで、資産価値の最大化と継続的な投資の好循環を生み出すことが可能になります。
今後、規模拡大で解決してきたい課題や目標
現在、私は区分所有マンションの購入・売却を繰り返すことで、節税効果を最大限に活かしながら資産を拡大する戦略を実践しています。しかし、さらなる収益向上と税負担の最適化を目指し、今後はアパートや1棟マンションへの投資と法人化にシフトしていきたいと考えています。
◆アパート・1棟投資による収益向上
これまでの区分所有マンションへの投資に加え、アパートや1棟マンションへの投資を拡大することで、スケールメリットの活用(複数の部屋を一括で管理することで運用効率を向上)や空室リスクの分散(1戸単位ではなく、複数戸での運用によりリスクを抑える)により、さらなるキャッシュフローの向上を目指したいと考えています。
特に、築浅のアパートや1棟マンションを取得し、安定した賃貸経営を行うことで、キャッシュフローの安定化を図りたいと思っています。
◆法人化による節税効果の最適化
法人化を進めることで、法人税の優遇措置の活用(個人よりも低い税率で利益を残せる)、経費計上の幅を広げる(個人よりも多くの経費を計上可能)、金融機関からの融資条件の向上(法人としての信用力を活用し、より有利な融資を受ける)などのメリットを活かしながら資産の拡大を図りたいと考えています。
不動産投資を通じて、私は区分所有マンションのオーナーチェンジ物件を活用し、安定した収益を確保しながら節税を実現してきました。市場の動向を見極め、譲渡税が軽減されるタイミングでの売却を行うことで、資産を効率的に増やしてきたことが成功の要因です。
今後は、アパートや1棟マンションへの投資を拡大し、さらなる収益向上を目指していきたいと考えています。また、法人化することで、税負担を最適化し、長期的な資産形成をより安定したものにすることが目標です。
リスクを管理しながら、柔軟な投資戦略を実践することで、不動産投資の可能性を最大限に引き出し、継続的な成長を遂げていきます。これからも、より良い投資判断を重ね、将来に向けた安定した資産基盤を築いていきたいと考えています。
本体験談では、区分所有マンションの投資から始め、アパート・1棟投資へと拡大し、法人化による税負担の最適化を目指そうとする戦略について紹介しました。
(BFP記載)アドバイザーとしてのワンポイントアドバイス
新築の区分マンションを騙されて買ってしまうと「節税できる金額以上に損をする」可能性が高いことと、キャッシュフローではなく売却益、つまりは不動産価格があがることを「祈る」ことになってしまいますので、その点本件のインタビュイー(話し手)さんは非常にうまくやっておられると思います。
さて、ここから財務・経営戦略特化FPとしてのアドバイス視点です。
次のアパートなどを購入していくという方針に否はないですが、
- 区分と戸建て・アパートは物件評価方法が違う
- 築浅と築古、どちらを買うのか
- 法人設立するタイミングをどうするのか
の3つを考える必要があると感じますね。
1つめは決算評価の話なのですが、区分マンションは「土地の持ち分がほぼない」という資産特性上、金融機関は実勢売買価格評価、つまりは「市場でいくらで売買されているのか」という水準で物件評価します。
それに対して戸建てやアパートは、収益還元の金融機関を除き「積算評価」で物件が評価されるようになります。この辺りのスタンスの違いを把握したうえで、買うべき物件を選ぶ必要がありますね。
2つめはシンプルに融資付けと減価償却、キャッシュフローのバランスの話です。
金融機関は通常、築浅のほうが1の資産評価が出やすいので好む傾向にありますが、減価償却は当然築古のほうが早く出ます。
そのあたりのバランス・戦略、そしてそれを基にした資料作りと金融機関への交渉がポイントとなるでしょうね。
3つめは、「法人設立から3~5年は、個人と法人の決算が包括して見られる」ということ。
サラリーマン属性の節税を考え、今は個人で大丈夫ですがでは、法人で買い始めるのはいつからなのか?
同じ物件でも個人で買った場合と法人で買った場合の中長期的効用は?
この辺りを加味して、いつ法人を作るのか?これらの計画思案が必要になるでしょうね。
以上、いつもご依頼を受ける際に、この方だったら弊社がどんな提案をするか?の追記でした。皆様もぜひご参考にしてみてくださいね。
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