暗号資産「ビットコイン」の動きを振り返り、今後を予想

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暗号資産「ビットコイン」の動きを振り返り、今後を予想

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの価格が3月に過去最高値を更新しました。今回は、ビットコインの過去の推移を振り返り、今後はどのように推移し易いかを考えました。月別の騰落率はどうであったのか、また各月の動きはその後の推移に影響を与えているかについても調べてみました。やはり、その後の推移に影響を与えている月があると思われます。

暗号資産とは

以下は全国銀行協会、金融庁のホームページから抽出しました。

暗号資産は、インターネットを通じて不特定多数の間で商品等の対価として使用できるもので、ビットコインをはじめとして様々な種類が存在し、取引量は増加傾向にあります。

資金決済法の改正(2020年5月施行)により、法令上、「仮想通貨」は「暗号資産」へ呼称変更されました。

暗号資産に関する制度整備

暗号資産の拡がりに伴い、暗号資産に関する法制度の整備が促進されました。

例えば、暗号資産と法定通貨等の交換を行う事業者が存在しますが、2017年以降この業務を行うためには金融庁・財務局の登録を受けなければならないことが資金決済法で定められました。

電子マネーとの違い

暗号資産は、貨幣や硬貨が存在しない電子的なものであることから、電子マネーと混同しがちですが、異なる性質のものです。

電子マネーは、電子化された決済手段のことです。基本的には円やドル等の法定通貨を対価として支払うことで利用ができるもので、必ず発行主体が存在し、発行主体が価値の裏づけをしています。

一方、暗号資産は、必ずしも発行主体や管理者が存在しないこと、価値が増減すること、法定通貨と相互交換できること、インターネット上で不特定の者に対する取引に利用できること、などが特徴として挙げられます。法的にも電子マネーとは異なるものとして定義されています。

最近の上昇の背景

以下は、日本経済新聞朝刊3月7日9面、3月1日11面、日本銀行のホームページから抽出しました。

最近、ビットコインの価格が堅調に推移している背景として3つが挙げられます。

官製相場である

今回のビットコインの上昇は米証券取引委員会(SEC)が火をつけた面があります。SECは2万種以上ある暗号資産と証券を厳しく線引きしようとしています。

SECが1月にビットコイン先物で運用するETF(上場投資信託)が承認され、米国で上場されたことをきっかけに資金が流入しました。

ビットコインが暗号資産市場全体に占める割合は2022年に40%を切っていましたが、2024年3月6日時点で54%に迫っています。

逃避資産と位置づけられている

コンピューターを使ってビットコインを生み出す仕組みをマイニング(採掘)と呼び入手にコストがかかる点が、埋蔵量が限られる金などの商品と似ていると言われます。株式相場に不透明感があると金に資金が移るような現象がビットコイン相場にも見られます。

決済が拡大

アフリカなどの新興国では銀行口座を持てない人が多く、ビットコインを決済に使ったり、出稼ぎの際の送金手段にしたりしています。

ビットコインの価格の予想が難しい点も2つ挙げました。

適正価格がわかりにくい

問題点としては、株式や不動産のように利益を生む訳ではなく、適正価格はわかりにくくなっています。

投資家層に厚みがなく、変動が大きい

暗号資産に関する詐欺などの事例が多く報告されており、投資家層はまだ限られています。投機マネーが入り込みやすく、需給次第で大きく価格が変動しています。

ビットコインのこれまでの動き

図は、代表的な暗号資産であるビットコインの動きとその36カ月移動平均乖離率の推移を示したものです。2017年終盤、2021年終盤に高値をつけましたが、いずれもその後1年程度の下落場面がありました。

36カ月移動平均かい離率の推移を見ますと、2017年終盤にプラス1078%までかい離した後、プラス7%台まで低下しました。2021年序盤に508%までかい離を見せた後、マイナス31%台まで低下ました。

長期的な値上がりの速さを見ると、徐々に緩やかになっています。

過去に大きく変動した場面

以下は、Ccoincheckのホームページから抽出しました。

  • 2017年は、日本でもビットコインの存在が広く知れ渡り、暗号資産に対する法整備が整い始めました。大手金融機関や機関投資家が市場に参入し始め、ビットコインをはじめとする暗号資産の価格が急騰しました。
  • 2018年は、数々のSNSサービスが暗号資産に関する広告の掲載禁止を発表したことにより、ビットコインに対する信用が低下し、価格も急速に下落しました。
  • 2022年に下落しましたのは、米国で量的金融政策の縮小が決まるなかで、2月にロシアによるウクライナ侵攻などが嫌気されたことなどが背景になりました。
  • 最近は、前述しましたように、米国でビットコイン現物ETFが上場されたことなどを背景に上昇場面となっています。

月別に見たビットコインの騰落率

ここでは、ビットコインの月別の騰落率とともに、2011~2017年、2018~2024年での平均騰落率を示しました。NYダウと同様に、8、9月に下落しやすい傾向があります。

1月から4月に上昇できれば年末あたりまでの上昇が期待できる

ビットコインが大きく下落しましたのは、2018年、2022年です。

2018年、2022年の月別騰落率を見ますと、1月から4月にかけては上昇する月もありましたが、大きく下落する月が目立ちました。1月から4月に大きく下落する月が目立ちました2018年、2022年は、年末まで一段と下落しました。

方向性が変わり易い時期は年終盤となっています。この経験則を踏まえますと、まだ上値余地は期待できそうです。

今後の戦略は

今回は、ビットコインについての概要をまとめた上で、ビットコインのこれまでの推移を振り返り、今後どのように推移し易いかを考えました。月別の騰落状況を見ると、今後も堅調に推移する期待は持てそうです。

しかし、他の金融商品と比べるとやはり変動は大きいと考えられます。新しい規制や環境変化があると暴落してきた経緯がありますので、資産の多くを投資すべきではないでしょう。

この記事は投資経済マーケットについて学習および解説をすることを目的に作成されています。 投資や運用の推奨および加入や結果の保証を行うものではございません。 参考資料としてご活用いただき、運用を行う場合は自己責任でお願いいたします。

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