知っておきたい信用取引のルール!

「信用取引を始めてみたいけど現物取引とは違うルールがあったりするの?」

「リスクが高そうだから信用取引って、ちょっと怖いかも」

現物取引とは異なる売りからの取引、資金の最大3.3倍で取引を行えるのが信用取引です。

普段とは違うルールで取引しなければいけないため、投資初心者だとリスクの高さやルールの違いから、信用取引に怖さを感じてしまうことがあるでしょう。

しかし、信用取引はきちんとルールを理解してリスクを管理すれば、株式投資においてどんな場面でも利益が狙える取引です。

そのため信用取引はルールを理解することから始めれば、決して怖い取引では無いということが理解できます。

今回は信用取引を始める前に知っておきたいルールを紹介します。

目次

信用取引のルールを知ろう

株式の信用取引には、資金の3.3倍で取引ができたり、買いだけではなく売りから取引を始められる以外に、基本的なルールが存在します。

現物取引とは異なるルールとなるため、取引を始める前にしっかりと把握しておく必要があります。

実際に信用取引を始める前に知っておくべきルールを紹介していきましょう。

信用取引口座の開設

信用取引は現物取引の口座ではなく、信用取引口座開設で取引が行えるようになります。

各証券会社が定める基準を満たしたユーザーが開設でき、基本的に証券会社の現物口座を開設していることが条件です。

そのため、自分が現物取引を行っている証券会社の信用取引口座開設をはじめに行っておきましょう。

取引できる銘柄

信用取引の銘柄には、一般信用取引の銘柄と制度信用銘柄が存在します。

一般信用取引の銘柄は証券会社選定の銘柄で、証券会社ごとに取扱われる銘柄が異なり、金利や返済期限などが自由に決められています。

制度信用銘柄は東証などの取引所が信用取引のために選定した銘柄で、返済期限が6ヵ月と定められています。

制度信用銘柄は金利が低めに設定されていたり、信用売りの数が増えた時には逆日歩と呼ばれる投資家が証券会社に支払う手数料(調達費用)が発生する可能性があります。

一般信用取引の銘柄は金利が高めに設定されますが、制度信用銘柄は取引所が選定するまで取引が行えない反面、上場初日から取引を行うことが可能です。

委託保証金(取引に必要な最低資金)

信用取引には委託保証金と呼ばれる、信用取引を行うために必要な資金が設定されています。

基本最低保証金として30万円以上の資金を口座に入れておく必要があり、30万円を入れてなければ取引が始められません。

現物取引のように買いたい銘柄に必要な資金だけでは取引が始められない点には注意しましょう。

決済方法

信用取引は反対売買を行うことで決済ができます。

買いによる注文の場合は売りによる決済、売りによる注文は買いによる決済です。

それと、買いによる注文の場合には現物銘柄を取得して決済したり(現引や品受)、売りによる注文の場合には現物の銘柄を差し出して決済する(現渡や品渡)といった、決済方法も存在します。

返済期限(弁済期限)

返済期限とは、信用取引における建玉(未決済の取引)の保有期限のことです。

保有期限までに返済(決済)する必要があり、買いによる注文なら売りによる決済、売りによる注文なら買いによる決済を行うことで返済できます。

制度信用銘柄の場合には半年の6ヵ月が期限であり、一般信用の取引の場合には無期限か取引ごとに期限が設定されています。

同一資金の回転取引

現物取引において、同一銘柄における同一資金は1日1回のみの取引に制限されています。

例えば、A社の銘柄を100万円分購入し、その日に売りに出して101万円の利益を得た場合、その資金を使って再びA社の株を買うことはできません。

しかし、信用取引の場合には同一資金による回転取引の制限が無いため、1日に同じ資金を使って何回取引を行っても問題ありません。

追証(追加保証金)

追証とは、建玉で一定の損失が出た場合に保証金の維持率を下回る際、建玉の不足額を入金しなければならないルールです。

もし追証が発生しても保証金の維持率回復のための入金が行われなかった場合、一定期間が経過すると強制的に建玉が決済され、不足した金額を返済しなければなりません。

保証金の維持率については、証券会社によってルールが異なり基本20%~30%で設定されています。

信用取引の規制

信用取引では、各証券会社が市場の動向に応じて個別銘柄ごとに取引の規制を行う場合があります。

新規の注文を停止する新規買建停止や新規売建停止、新規の注文に対する必要保証金を通常よりも多く入れる必要がある増担保規制などがあります。

各証券会社によって規制のルールが異なり、取引所による規制措置が行われる場合もあります。

信用取引は最大3.3倍の取引ができるからこそ追証のルールに気を付けよう

信用取引のルールを紹介してきましたが、その中でも一番気を付けなければならないのが追証のルールです。

信用取引における一番のリスクな部分でもあり、約3.3倍のレバレッジを掛けられることから初心者は一番注意しなければなりません。

というのも例えば、B社の株を100万円で運用していた時、株価が1/2まで下がってしまいました。

現物取引であれば半分の50万円の損失となりますが、信用取引3倍のレバレッジを掛けていた場合には100万円×3倍×1/2=150万円の損失が出てしまいます。

結果的に損失額150万円として、運用額100万円から不足する-50万円を支払わなければなりません。

現物取引では100万円が50万円に減ったのに対して、信用取引では100万円が無くなり負債として50万円が発生する可能性があるのです。

空売りのリスクも同様に注意

それと、信用取引には売りから取引が始められるリスクも存在します。

売りから始められる取引には、株価が下がる局面でも利益を得られるメリットがありますが、同時に株価が上がった時には無限大の損失が発生してしまうリスクもあるのです。

無限大というのは少し大げさですが、株価1,000円の銘柄において買建玉の場合には最大でも株価ー1,000円分の損失に限定されています。

しかし、株価の上昇は青天井であり、2,000円や5,000円、10,000円に株価が上昇し、売建玉を保有している場合には買建玉より大きな損失が発生します。

そのため、売りから取引を始める時には買いよりも大きな損失リスクがあることを覚えておきましょう。

証券会社によって詳細なルールは異なる場合があるため取引前に確認しよう

今回は信用取引のルールを紹介してきました。

今回紹介したルールの他に、各証券会社が設定するルールが別に存在したり、ルールの中でも詳細部分によっては異なる場合があります。

信用取引は現物取引よりもリスクがあるため、自分が使っている証券会社の信用取引ルールを事前にしっかり確認してから、信用取引を始めるようにしましょう。

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この記事を書いた人

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