iDeCoの拠出再開手続き手順

私事ですが、5年ほど運用指図者であったiDeCoへの拠出を再開することにしました。

私とiDeCoとの付き合いは、まだiDeCoという愛称がなかったころにスタートしています。少し振り返らせてください。

2000年に30歳で転職で入社した企業には退職金制度がありませんでしたが、その代わりに企業型確定拠出年金に月額給与に応じた決められた割合を会社側が拠出してくれました。多い時は月数万円だったので、決して馬鹿にできない金額でした。制度導入から4年半後ぐらいに転職することになりましたが、転職先には企業型DC制度がなかったので、転職前の企業型DCの残高を個人型(現在iDeCoと呼ばれている制度)に移換し、運用指図者になりました。当時は個人型を取り扱う金融機関が限られ、移換先を選ぶのに苦労した記憶があります。

その後、転職するたびに企業型DCがあればそちらへ移換し、そうでなければ個人型で運用指図者になって、手数料だけ徴収される期間がありました。そもそも、勤務先が拠出してくれた資金だったので、手数料だけ徴収されても気にしていなかった気がします。リーマンショック前にたまたま元本確保型に全部お金を入れておいたのはラッキーだったと言えるでしょう。

その後拠出を再開したのは、地方公務員時代でした。

公務員もiDeCoに拠出できるようになったタイミングで、給与を扱うセクションから、給与天引きの拠出を望む方は必要書類を持参してくださいと周知があり、そのタイミングで給与天引きで当時の拠出上限であった12,000円を拠出しました。公務員を退職するまで3年ぐらい続けたでしょうか。

公務員を辞めて、フリーの身になった時点で、拠出額を5,000円に変更して続けるつもりでしたが、その後(想定していなかった)再就職があり、その再就職先でiDeCoの話をしたら“きょとん?”とした表情をされたことと、ゆるい仕事でサラリーが多くなかったことを理由に、再び運用指図者になりました。

 iDeCoはその受け取り方の見通しが現役世代には不透明で利用しづらいという声も聞きますが、企業型DCを利用していた人が、転職先などに同様の制度がない場合、残高を移換する手段として利用せざるを得ません。

最後に運用指図者になってから約5年が経過した今、拠出を再開することにしたのは、昨年転職して、サラリーが増えたので手元資金に少しゆとりができたからです。昨年ルールを改めてスタートしたNISAの非課税投資額上限は現在の自分の資産で埋められる見込みが立っていたので、非課税の恩恵を少し多く使わせてもらおうと思ったことが理由です。また2024年12月に法改正で、国民年金第2号被保険者が個人拠出でiDeCoに拠出するならば、勤務先が提出しなければいけない書類が不要になったことも気持ちを変える理由になりました。

さて、iDeCoの残高を置いている金融機関のコールセンターに電話をして、運用指図者だったが拠出を再開したい旨を伝えました。これはペーパーワークが必須なようです。

数日後に届いた書類は、改めて加入する手続きと同じでした。

但し、以前とは違い、個人払込であれば「事業主払込に関する証明書」(勤務先に用意してもらわなければいけない書類)が不要であることがわかるようにはなっています。

不慣れだと判断しづらいのが、このフローチャートだと思います。

人によっては、勤務先に確認しないと正しく判断できないかもしれません。

少し、かみ砕きましょう。

出典: iDeCo公式サイト

Aは企業型DCがあれば、掛け金の配分割合を指定しているはずですし、その控えが残っていると思います。あるいは、年に1度は運用報告書が手元に届いているはずです。それらが一切ないようであれば「いいえ」になるでしょう。

Bは公務員か私立学校に勤務していれば「はい」で、そうでなければ「いいえ」です。

CとDはわかりにくいかもしれません。自信がなければ、勤務先の総務部など、給与を取り扱う部署の方に確認した方がいいと思います。

EはAとDの両方が「はい」の方だけに該当します。

FからKまでは、拠出の限度額を確定するか加入の可否を確定するものです。

 現在私立の学校法人に勤務している筆者はFに該当し、52番が「加入状況コード」になります。「加入状況コード」は、加入申出書に記入しなければいけないので、必ず特定しなければいけません。不明ならば、勤務先の総務部など、給与を取り扱う部署の方に確認する必要があります。

筆者の場合拠出限度額は月額2万円ということになりました。筆者はさしあたり下限の5,000円を毎月拠出することにしました。原則として60歳までは引き出せない資金ですので無理をする必要もないかなと思った次第です。年に1度は拠出額を変更できるので、変更してもいいかなと思ったら増やそうと考えています。今年55歳になるので60歳がそう遠いわけではないのですが。

 既に運用指図者として保有している残高に今後は追加投資される形になります。受け取りは60歳からスタートを想定しています。60歳から公的年金受給開始(10年後ぐらいにいったい何歳が標準になるでしょうか?)までの「つなぎ期間」のお小遣いにはなるかなと思っています。

筆者の場合4月ぐらいから拠出再開になると思います。

日本では、4月は何かを始めるのに都合がいいことが多いですね。

利用した方がいいかどうかはその人次第ですので、自分の場合はどうしようかなぁと考えるきっかけになれば幸いです。

URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

大学講師兼投資ライター
システムエンジニア->証券アナリスト->地方公務員->セミリタイアな中小企業の嘱託研究員->大学講師

CFP、FP1級、日本証券アナリスト協会認定証券アナリスト保有。
TOEIC950。MBA取得済。投資歴31年余り。

システムエンジニア時代に投信売買システム、生命保険契約管理システムに携わり、それらのしくみにも精通。
趣味はサッカー観戦(川崎Fサポ)、旅、読書、野菜栽培、フラワーアレンジメント。
がんサバイバーでもある。

目次
閉じる